金融庁が投資初心者にも推奨する「つみたてNISA」。非課税枠があり、メリットばかりが大きく宣伝されるが、万が一の際にはどうなるのであろうか。「投資信託を積立投資」といっても、途中で積立のための口座を開設した金融機関が破綻してしまったら、すべてを失ってしまわないだろうか? 本記事では、つみたてNISAのリスクについて検証する。

金融機関が「破綻」したらどうなるのか?

つみたてNISAに限らずではあるが、金融機関で証券口座を開設し、投資信託などの金融商品を所有している場合、「その金融機関が破綻したら、どうなってしまうのか?」と疑問に思う人は多いのではないか。

 

これに関しては法律で定められた「分別管理制度」があるので、そこまでの心配には及ばない。分別管理制度とは、金融機関が顧客から預かる資産を、自身の財産とは分離して管理しなければならないとする制度だ。

 

金融機関が預かる資産とは、投資信託や株式、債券などの有価証券のみならず、もちろん金銭もこれに該当する。よって、万が一、つみたてNISAで積立を行なってきた金融機関が破綻したとしても、法律上、自身の資産は守られていることになる。

 

このあたりは金融庁がしっかりとチェックしており、特につみたてNISAに採用されるような金融機関は、基本的にちゃんとやっていると考えても問題はないだろう。

分別管理がなされていない場合は、どうなるのか?

「破綻するような金融機関など信用できない。分別管理もなされていないのではないか」と考える人もいるかもしれない。確かに、昔は株券など現物を取り扱っていたので、証券会社が破綻の際に持ち逃げしてしまった……というようなこともあったようだ。この場合、つみたてNISAで積み立てていた自身の資産は失くなってしまうのか?

 

分別管理がされていなかった場合の補償は?
分別管理がされていなかった場合の補償は?

 

破綻した金融機関が分別管理の義務に関しても違反し、顧客への資産の返還が滞った場合、日本投資者保護基金が上限1,000万円で補償をすることになっている。

 

つみたてNISAの非課税枠を最大限に活用すると、毎年40万円の20年間で800万円が上限であるから、上記の補償で十分足りることがわかる。

つみたてNISAのリスクを考えるならば…

もちろん、日本の国債が破綻するなど、全ての経済活動がストップするような状況下では、どうなるかはわからない。銀行に預金されている「円」も紙屑になってしまうかもしれない。

 

そういう極端な状況を想定して、安全資産と呼ばれる「金」に投資する人もいるが(ちなみに28日現在、取引価格は今年最高値を更新した)、積立投資をするには手数料が比較的高いというデメリットがある。金価格と連動した金ETFであるならば、手数料のデメリットは抑えられるが、有価証券であるので、上記のような極端な恐慌状態において、どうなるかはわからない。

 

そのような不況が100%起こらないとは言い切れないが、あまり極端な想定をしても「結局、自給自足が最強」のような極論に行き着き、資産形成という意味では、現実的ではない。現実的に投資の際に考えるべきは、投資対象の価格変動リスクである。

 

その点では「つみたてNISA」はその名のとおり積立投資を行うための制度であるわけだから、投資対象の価格が上がっているときも下がっているときもコツコツと買い増ししていくことで、買い付け単価を平均化できるメリットがある。

 

非課税枠や手数料の優遇を考えると、比較的ローリスクでそこそこの利回りが期待できる制度であり、もちろん海外資産を投資対象とする投資信託も多数含まれるので、たまに耳にするが、「国や金融機関が結託して国民の銀行預金を分捕ろうとしている」……というような考え方は眉唾であろう。

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