今回は、アパート事業成功の鍵となる「最初の仕組みを作る方法」について見ていきます。

アパート事業の成功率は仕組みさえ整えば高まる

アパート事業は入居者から家賃収入を得ることで成立する、一種の装置産業といえます。最初の段階できちんとした仕組みさえ整えれば、アパート事業の成功の確率は格段に高まります。

 

そして、アパート事業においては、この初期設定が事業の成否に対して占める割合が、他の事業と比較して格段に高いのです。それでは、その初期設定とは、どのようなものが挙げられるのでしょうか。

 

第1に、入居者が常に入る、適切な(魅力ある)物件を選択するということです。

 

アパート事業はアパートに住む方からいただく、毎月の家賃によって成立します。家賃が入らない、つまりは入居者の入らない物件では、アパート事業は成立しないのです。

 

2つ目は、その魅力ある物件を適切な価格で購入するということです。

 

いくら人気があり、常に満室状態の物件でも、購入価格が適正でなければ、結果として利回りは低くなります。購入後、利回りを上げようと家賃をアップさせるという考えは、現実的には無理があるのです。自分が住む物件であれば気に入るかどうかだけですが、あくまでも事業の対象として判断する場合には、数字(採算)が重要になります。

 

物件を購入するときは、価格の判断に細心の注意を払わなくてはなりません。一度購入してしまったら、購入価格(=上限の利回り)は絶対に変わらないということを、再度認識する必要があります。また、適切な価格で購入するとともに、減価償却を大きく計上し、経費を大きく取れるように建物価格を大きく設定する(建物割合を大きくする)必要があります。この設定も初期設定の重要な要素です。

「利回り」に応じた適切な金利で資金を調達

3つ目は、適切な資金調達をすることです。

 

魅力的な物件を適切な価格で購入しても、金利があまりにも高かったり、借入期間を短く設定したりしてしまうと、利益が出なかったり、キャッシュフローが回らず、そのアパート事業はうまく機能しなくなってしまいます。

 

利回りに応じた適切な金利で、かつ借入期間はできるだけ長く設定することが重要になるのです。

 

本連載は、2012年6月27日刊行の書籍『年収1000万円から始める「アパート事業」による資産形成入門 [改訂版] 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本書は情報の提供及び学習を主な目的としたものであり、著者独自の調査に基づいて執筆されています。実際の投資の成功を保証するものではなく、本書を用いた運用は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本書の内容に関して運用した結果については、著者及び幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。

年収1000万円から始める  「アパート事業」による 資産形成入門

年収1000万円から始める 「アパート事業」による 資産形成入門

大谷 義武

幻冬舎メディアコンサルティング

大企業でも倒産する現在、自分の身は自分で守るべく、副収入としての投資を考える人が増えています。 そんななか、アパート事業による資産形成の火付け役となった本書が、改訂版としてパワーアップいたしました。不動産会社の…

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