日本企業への投資で世界経済の成長率と同じリターンを得る方法

大切な資産を目減りさせないためには「資産運用」が必要です。日本は超低金利ですが、世界経済の成長を取り込んだ投資が実現できれば、日銀が掲げる物価目標値の2%を超える運用は可能です。今回はその具体的な方法を見ていきます。※本記事は、コモンズ投信株式会社代表取締役社長兼最高運用責任者の伊井哲朗氏の著書、『97.7%の人が儲けている投資の成功法則』(日本実業出版社)より一部を抜粋し、長期投資を成功させるポイントを解説します。

資産運用は「インフレに負けない」ために必要

みなさんは、どうして資産運用が必要なのかご存知でしょうか。

 

「少しでもお金を増やすため」

「将来が不安だから」

 

人によっていろいろな答えが出てくると思いますが、いちばん大切な理由は「インフレに負けないため」です。

 

では、どうしてインフレに負けないようにする必要があるのでしょうか。それはお金の価値を目減りさせないようにするためです。

 

たとえば物価が年2%ずつ上昇するとします。日本では日本銀行が物価目標値を2%に設定しています。もっと具体的にいうと、消費者物価上昇率が年2%になるように経済の活性化を図ろうと考えているのです。ちなみに2019年4月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合の数値が、前年同月比で0.9%です。これを2%にまで引き上げるというのが目下、物価の番人である日銀に課せられたミッションです。

 

近い将来、2%という物価目標値が達成されたとしましょう。このとき、預貯金の利率がいまと同じ0%に近い水準だったら、どうなるでしょうか。

 

たとえ話をひとつ挙げたいと思います。いま100万円の定期預金が満期になりました。この満期金で自宅のキッチンをリフォームしようかどうか迷いながらも、工務店にいくらかかるか聞いてみました。すると、100万円という答えが返ってきました。

 

たしかにいま、手元に100万円の満期金があるので、ギリギリではありますが、リフォームできます。

 

しかし、やはり100万円が手元からなくなるのは、いささか辛いなという気持ちもあり、結局、もう少し我慢して、せめてあと1年、このキッチンを使おうと考えました。そして1年後・・・。同じ工務店に電話をかけ、いよいよリフォームの決心がついたので、もう一度見積もりを出してもらいたいと言ったところ、資材や人件費の値上がりによって、リフォームにかかる費用は102万円になっていました。

 

ところが、1年前にリフォームを見送ったとき、100万円の満期金をそのまま同じ定期預金で継続運用したのに、預貯金の金利はほぼ0%だったため、利息はほとんど付いていませんでした。結果、手元の資金は100万円で、新たに見積もってもらった金額に2万円、足りません。

 

これがインフレです。消費者物価指数で年2%の上昇率を目指しているのは日本だけではありません。米国や欧州など先進国各国の中央銀行が目標値として掲げている数字です。ということは、もし日本で今後もデフレ的な経済情勢が続いたとしても、海外諸国が2%の物価目標値を達成してきたら、海外から資源・エネルギー、食糧などさまざまなモノを輸入している日本国内でも、海外のインフレの影響を受けることになります。

 

年2%のペースで物価が上昇し続ければ、今後10年間で、消費者物価は20%以上、上昇することになります。いま1000円で買えるモノが1200円以上になるわけですから、その分だけ現金の価値は目減りすることになります。タンス預金で現金のまま持っていたら、インフレの影響をモロに受けて、手持ちの現金の価値は下がっていきます。

 

タンス預金ではなく、銀行に預金していたとしても、今後、そう簡単に金利が上がらないとしたら、インフレの影響を受けてその価値は減っていくことになります。つまり、元本は安全だと思ってお金を持っていても、それが減ってしまうのと同じことです。

 

そのようにならないためには、物価目標値である2%を超えるリターンが得られる何かにお金を変えておく、つまり運用する必要があります。これが資産運用の必要性です。

国内企業への投資なら、為替リスクの心配は無用

では、どうすれば物価目標値を超える運用ができるのでしょうか。答えは簡単で、世界の成長を資産運用に取り込めばいいのです。世界の名目GDP成長率は、3%+αです。

 

コンサルティング会社のプライスウォーターハウスクーパーズの調査レポート(2017年)によると、世界経済の規模は2042年までに倍増し、2016年から2050年まで、年平均実質成長率約2.5%強のペースで成長するとしています。実際、ここ数年の世界経済の成長率は3%台で推移しています。

 

これと同じように長期的に増える金融商品があったら、それを買うことによって資産を運用したいと思うはずです。そのためには、こうした世界経済の成長を取り込めるような金融商品、すなわち株式を買えばいいのです。

 

世界経済の成長を取り込むための方法は2つ考えられます。

 

第一は、世界中の株式市場に投資する方法です。全世界株式インデックスは多くの銀行・証券会社で取り扱っています。最も簡単で、かつ確実に世界経済の成長を取り込むことができます。しかも、インデックスファンドですから運用管理費用などの運用コストが割安です。ただし世界株式インデックスですから、為替リスクがあります。

 

もうひとつの方法は、グローバル企業の株式に投資することです。

 

たとえばここに1人のスイス人がいるとします。スイスは日本より先にマイナス金利が導入されていますから、預金で運用しても日本同様に利息はつかない状況です。

 

そこで、そのスイス人は、自分がよく知っている企業の株式に投資しようと思い立ちました。スイスですから、ネスレなどが代表的な企業です。ネスレは日本でもインスタントコーヒーをはじめとする商品で知られていますが、日本でいうトヨタ自動車みたいなスイスのトップ企業です。

 

さて、スイス人にとってネスレは、紛れもなく国内企業ですが、ネスレは日本人でも多くの人が知っていることからわかるように、世界ナンバーワンのグローバル食品飲料メーカーです。ネスレの財務データを見ると、売上の99%、利益の98.5%が、スイス以外の海外諸国から得たものです。ということは、スイス人がネスレの株式に投資すれば、スイス人にとっての国内企業投資ではありますが、同時に世界の成長を取りにいくのと同じ効果が得られるのです。

 

 

グローバル企業に投資することのメリットは、世界経済の成長率よりも高い成長率が期待できることです。あくまでも期待値ですが、世界経済の成長率が2%+αであるのに対し、グローバル企業経営の経営者は通常10%程度の成長率を目標にしています。企業経営の観点からすれば、そもそも全体の経済成長率と同じだけの成長なら平均を目指すことになりますから、優良な企業ほど、それよりも高い成長率を目標に掲げて、日々の経営を行なっていくわけです。ということは、グローバル企業の株式に投資することによって、経済成長率を大きく上回るリターンが期待できるというわけです。

 

そうした企業を選別して投資するためのコストはインデックスファンドを買うのに比べると割高ですが、リターンの高さでそれをカバーできるはずです。

 

優良なグローバル企業は世界中にたくさんあります。しかし、自国のグローバル企業に投資すれば、為替リスクを気にする必要はなくなります。たとえば日本人が半導体製造装置で日本を代表する東京エレクトロン(海外売上比率87%)の株式に投資したときには、売買はすべて円で行なわれますから、直接的には為替変動に伴うリスクを被ることはありません。もちろん、東京エレクトロンが海外展開を行なっていくなかでは為替リスクが生じるわけですが、それはすべて企業がリスクをコントロールします。つまり、日本人が日本のグローバル企業の株式に投資すれば、直接的に為替リスクを被ることなく、世界経済の成長を取り込むことができるというわけです。

 

ちなみにコモンズ30ファンドに組み入れられている銘柄でいうと、2019年5月現在、30銘柄のうち21銘柄の海外売上比率が50%を超えています。かつそのうち11社の海外売上比率は70〜80%にも達しており、まさに世界経済の成長を取りにいくことができるポートフォリオになっています(図表)。

 

[図表]コモンズ30ファンドの投資先の海外売上高比率 ※2018年3月末時点 50%以上の企業のみ掲載 出所:企業公表資料などからコモンズ投信作成
[図表]コモンズ30ファンドの投資先の海外売上高比率
※2018年3月末時点
50%以上の企業のみ掲載
出所:企業公表資料などからコモンズ投信作成

 

 

伊井 哲朗

コモンズ投信株式会社 代表取締役社長/最高運用責任者

 

 

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コモンズ投信株式会社 代表取締役社長/最高運用責任者

名古屋市出身、山一證券で営業企画部に約10年間在籍し、営業戦略を担当。その後、機関投資家向け債券営業。メリルリンチ日本証券(現三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)の設立に参画し、法人・個人向け営業を約10年。コモンズ投信創業と共に現職。2012年7月からCIO兼務。

著書に、『「普通の人」が「日本株」で年7%のリターンを得るただひとつの方法』(講談社)、『「市場」ではなく「企業」を買う株式投資』(きんざい 共著)、『価値向上のための対話』(日本経済新聞出版社 共著)がある。

著者紹介

連載年利7%も実現可能…積立・長期投資による「投資信託」購入術

本連載は、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。また、投資にはリスクがあります。積立による購入は将来の収益を保証したり、基準価額下落時における損失を防止するものではありません。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。なお、執筆者、製作者、日本実業出版社、幻冬舎グループは、本連載の情報によって生じた一切の損害の責任を負いません。

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