アパート事業は「配偶者の理解と協力」が不可欠
筆者の会社でのお取引で、ご主人が仕事で忙しく、物件見学、売買契約、決済を奥様が代理で行うケースがたまにあります。このように、アパート事業は夫婦間の理解・協力関係なしには、基本的にはできない事業です。
なぜなら、アパート事業においては、物件を取得する段階から一人ではできないからです。
まず、銀行から借入をするにあたり、法定相続人の連帯保証が必要になります。もちろん、なかには現金で購入されたり、団体信用生命保険に入ることで保証人を立てずに済むこともありますが、これは例外です。
そして、法定相続人ということですので、基本的には配偶者(奥様)が連帯保証人になる必要が出てきます。
連帯保証人とは、基本的には債務者(ご主人)と同等の責任を負いますので、アパート事業に理解のある奥様でないと、連帯保証人になることに同意しません。アパート事業に理解はないまでも、ご主人のやることは全面的に信頼してサインをする、という関係でないと難しいのです。
物件を取得した後の運営段階においても、管理会社から送られてくる毎月のレポート(書類)の管理や、税金の支払い等々において、奥様に任せられると非常に楽です。
さらに、奥様の理解がないと、休みの日に物件を見に行ったり、管理会社との打ち合わせに行ったり、新たな知識の吸収のためにセミナーに行ったりということはできません。アパート事業に理解がなければ、せっかくの休日を不動産に費やすことには大反対されるでしょう。すると、物件の管理もおろそかになってしまいます。
つまり、アパート事業を開始するには、まず奥様(配偶者)の協力を得られる体制を作ることが出発点になります。奥様の理解が得られない状況であれば、無理にアパート事業を行うことは控えたほうがいいでしょう。そして、粘り強く理解を求める必要があります。
夫婦で力を合わせて一つの事業をするというのは意外と少ないものです。当社のお客様でも、アパート事業を始めたおかげで、夫婦で力を合わせて取り組むことができ、夫婦関係が円満になったという話も多々あります。
アパート事業は早く始めるほどメリットあり
アパート事業は、いつから始めればいいのでしょうか。「若い頃から多少無理をしてでも始めたほうが良い」「ある程度、自分自身で資金を作ってから開始したほうが、有利に決まっている」など、いろいろな意見があります。
一般的な不動産購入の例として、通常の住宅の場合を考えてみましょう。
住宅を購入する場合は、ある程度、資金をプールしてからのほうが良いという考え方もあるでしょう。なぜなら、ローン額が大きいと、どうしても毎月の元利金返済が負担になってしまいますし、何よりこの返済は給料(収入)から支出しなければいけないからです。元金の返済は貯蓄に相当しますが、金利の支払いは生活費の経費の一部です。
その一方、アパート事業はどうでしょうか。アパート事業は、長期間にわたって家賃収入を得る事業です。
物件を購入した時点から家賃収入を得られ、その収入のなかから金利だけでなく、元金も含む借入金を返済することができます。しかも、その残りがキャッシュフローとして、本人の懐に入るビジネスモデルです。つまり、本業の給料から返済を行う必要がないのです。
当然ですが、一日でも早く始めたほうが、家賃収入を得られる期間が長くなりますので、「総家賃収入」は多くなります。今日から始めるのと、一年後に始めるのでは、人生において得られる総家賃収入が変わってきてしまいます。
寿命が変わらないのであれば、アパート事業は今日から始めるのが一番得策なのです。これは、どの年齢の方にもあてはまります。今日が人生で一番若いのですから。