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壁紙、キッチンセット…入居者は自由な内装変更が可能
ドイツの不動産物件で日本と一番大きく違うのは、一部の高級住宅を除き、キッチンが基本的に入居者の持ち込みである点です。はじめから備え付けられているのはバスタブくらいで、家具や家電製品はもちろんのこと、レンジや流し、戸棚などのキッチン回りは何もありません。
すべて入居者が自分で必要なものを揃えて持ち込むため、引っ越して出て行くときもそれらを取り外して持っていきます。逆にいえば、それが面倒なのでなかなか引っ越さないという側面もあるかもしれません。
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また、入居者が内装を自由に変えるところも、日本とは違います。もともと壁紙などはないことが多く、壁に直にペイントする仕様になっているため、入居者が好き勝手な色に塗り替えてしまうのです。
壁の色が真っ黒やピンク、黄色といった日本ではまずお目にかかれない内装も、ドイツではわりと当たり前です。
共用空間を入居者が自由に使うのもドイツならではで、中庭でバーベキューをしたり、地下室に私物を置いたりするのは日常茶飯事。そのため、物件購入時は地下室などがかび臭くないか、よく清掃されているかをチェックする必要があります。
賃貸契約の更新がないため、手堅い不動産経営が狙える
ドイツは今、家不足です(関連記事『中国人に荒らされていない!ドイツ不動産投資…8つのメリット』メリット③参照)。移民や難民の受け入れで人口が増加基調になったため、年間に20万戸の家が不足していると言われています。
そして、ドイツは持ち家率が低く、国全体で45%程度です。これは東京都と同じくらいの数字です。持ち家が45%ということは、半数以上の人が借家住まいをしているわけで、それはドイツの賃貸物件が慢性的に不足していることを意味します。
賃借人がいっぱいいるということは賃貸需要が貸し手市場である、すなわち不動産投資に向いているということになります。ほどほどの条件の物件を保有していれば、誰でも賃貸経営がうまくいくというわけです。
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貸し手市場なら家賃が高騰するのではないかと思われるかもしれませんが、実際はそうなっていません。ドイツの家賃は一気に値上げしにくい市場です。
その理由は、ドイツには賃貸契約の更新という制度がなく、一度借りたら出るまで家賃は据え置きというのが常識だからです。また、日本のように新築物件にのみ人気が集まるということもありません。新築で家賃が高いのなら、築100年のほどほどの家賃のところに住むというのがドイツの借家人の考え方です。
そして、更新がないために長く住む人が多いのもドイツの特徴です。前述のように多くの場合、キッチンセットを含めて家具は借り主が引っ越しの時に持ち込むので、一度住んだら簡単には引っ越しません。引っ越すたびに流し台やコンロに家電製品、家具を運び出すのは大変ですから。したがって長く住んでもらって安定的で手堅い不動産経営ができるわけです。
逆に言えば、家賃を上げるなら借家人が出て行った時が唯一のチャンスです。そのような面が、性格的に穏やかな人の多い日本人投資家に受けています。アメリカのように毎年更新で家賃をガンガン上げていくような野心的な経営は、日本人にはあまり向かないと私たちは考えています。
市川 隆久
株式会社国際不動産エージェント 代表取締役
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