給食の影響も?日本人が「八重歯」になってしまう6つの原因

歯学博士・宮島悠旗氏の著書『国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”』より一部を抜粋し、日本人が八重歯になってしまう原因を取り上げます。

安易に抜歯することはできない「八重歯」

日本人が八重歯を許容する風潮は、なかなか根強いものがあるようです。どういうわけか「笑顔のかわいさを強調するチャームポイント」と認識され、八重歯をアピールして人気者になったアイドルも多く存在しました。もちろん国際社会ではNGですので、日本でもこれからは矯正する人が大多数になっていくと思います。

 

そもそも八重歯とは、上顎の前から3番目に生える犬歯(「糸切り歯」ともいいます)が、両隣の歯よりも外側に飛び出した位置に生えている状態をいいます。犬歯は尖った形をしているため、歯並びの外側に飛び出したことによってその尖りが強調され、他の歯が出ている場合よりも目立ってしまうのです。

 

犬歯は根が太くて長いため、歯の中で最も長い寿命をもっています。噛み合わせの上でも重要な役割のある歯ですから、八重歯になっているからといって安易に抜歯することはできません。

 

八重歯になる原因は、次のようなものが考えられます。

 

1.顎の骨の発達不足

 

顎骨が発達しないと、永久歯が並ぶためのスペースが狭くなります。そのせいで八重歯になっている人が多いと考えられます。もともと欧米人に比べ、顎の骨が小さく華奢な日本人ですが、顎の発達は、幼少期の食生活にも大きな影響を受けます。顎骨の発達のためには、小さい頃から、ものをよく噛んで食べる習慣をもつことが大切です。

 

しかし最近はやわらかい食べ物が好まれ、地域によっては小学校の給食でも、お粥のような白飯ややわらかいパンを出すようになっています。そうでないと「児童が給食を残すから」という理由があるようですが、顎骨の健全な発達のことを考えると、あまり好ましい状況ではありません。子どもたちが外で身体を動かして遊ぶ習慣が減ったことも、食欲の減少や、食べ物をよく噛む意識の低下につながっているのかもしれません。

 

2.歯が大きい

 

顎骨が正常に発達しても、歯1本1本が大きければ、永久歯が並ぶべきスペースに本全部が入りにくくなることは同様です。犬歯は笑った時よく見える位置に生えますから、ますます歯並びの悪さが目立つことになってしまいます。

 

3.乳犬歯が遅くまで残った(晩期残存乳歯

 

犬歯の部分に生えている乳歯を「乳犬歯」といいます。乳犬歯が晩期残存乳歯になると、永久歯の犬歯が正しい位置に生えにくくなります。多くは外側にずれた位置に生えやすいため、そのまま八重歯に成長する可能性が非常に高い状態です。

 

4.上顎の前歯に過剰歯がある

 

上下の歯列のどこかに過剰歯が発生する確率は、全体の2〜3%という過去の研究結果があります。そのうちの~%は、上顎の前歯付近に現れることもわかっています。上顎の前歯付近といえば、八重歯の生える位置が含まれます。過剰歯があると前歯の生えるスペースが少なくなり、犬歯が押し出される形で八重歯化してしまうのです。

 

過剰歯は多くの場合、顎骨に埋まったまま成長しないため、レントゲン写真(X線写真)を撮影して確認しなければ存在しているかどうか、自分ではなかなか判断できません。八重歯だけでなくすきっ歯や、歯並び全体のでこぼこなども引き起こしやすいものなので、上顎の前歯に「どうも歯がきれいに並ばない」などと違和感を覚えたら、早めに歯科医院で診察してもらうことをおすすめします。

 

5.上顎の乳臼歯が早くに抜けた

 

臼歯の部分に生えている乳歯を「乳臼歯」といいます。上顎の犬歯は歳臼歯を除いた永久歯の中で、最も遅く生えるのが特徴です。そのため奥の乳歯(乳臼歯)が虫歯になって早くなくなった場合、犬歯より早く生える奥歯の永久歯が前のほうに移動し、犬歯が生えるはずの位置のすき間を閉じるような形で生えてしまいます。その結果、犬歯は外側にずれて生え、八重歯になってしまう可能性が高くなります。

 

6.犬歯の歯胚の位置異常

 

歯の根は最初から完成した状態で顎骨の中にあるわけではありません。乳歯も永久歯も歯胚という、歯のもとになる細胞の塊の状態で顎骨の中に姿を現します。歯胚は成長すると、まず歯冠(歯の頭の部分)に形を変えます。そのあと歯根(歯の根)が伸びると同時に、歯冠が顎骨から口の中の歯茎表面に出てきます。

 

犬歯の歯胚の位置が何らかの異常でずれて成長した場合、歯の向きがねじれぎみになったり、生える位置が両隣の歯と揃わなくなったりします。もし外向きにずれていれば、それが原因で八重歯になることもあります。

歯茎が見え過ぎる「ガミースマイル」も国際的にNG!

ところで歯並び以外にも、自分の歯茎が「見えすぎるのでは......」と気になったことはありませんか?

 

SNSの普及で、携帯電話などを使って友だちや家族と一緒の写真を撮る機会が増えたのではないかと思います。周りに比べて自分の口元だけ歯茎が見え過ぎると感じたら、それは「ガミースマイル」かもしれません。統計的には日本人の20.2%はガミースマイルと報告されています。

 

ガミースマイルは「歯茎(gum)の見える笑顔」という意味です。誰でも笑った時、多少は歯茎が見えるものですが、歯茎の見える部分が2mm以上大きいと「ガミースマイル」といわれて敬遠されます。

 

欧米では爽やかで感じの良い笑顔が出会いの印象の決め手になりますから、人々は自分が最も美しく見える〝笑顔の形〟をよく知っています。彼らは鏡に向かっていろいろな笑顔をつくり、どの程度の笑い方の自分がいちばん魅力的か、相手にフレンドリーな印象を与える笑顔はどれかなどを研究するのです。

 

日本人が一般的に得意なのは「微笑み」ですが、その程度だと、国際的シーンではまだ〝笑顔度〟が足りません。笑っていても心の内に、何か別の思いがあるように誤解されて
しまう恐れがあります。海外の人と出会った時に浮かべたい笑顔は「にっこり」です。唇を開いて口角を上げ、歯並びが見える適度ににっこり笑った形が国際派スマイルといえます。

 

自分ではそんな「にっこり」で笑っているつもりでも、人から「歯茎むき出しで笑っている」と思われてしまうのがガミースマイルです。

 

ガミースマイルの原因は、

 

◆上顎が成長しすぎている


◆上の前歯が下がりすぎている

◆上の唇の長さが短い

 

などが考えられます。極度のガミースマイルでないなら、笑い方の工夫で、歯茎を目立たなくさせることができます。口角を上げつつ前歯の歯茎は唇に隠れているような笑い方を練習するなど、鏡を見ながら研究してみましょう。

 

それでも美しい口元の笑顔をつくれなかったり、意識しながら笑うことにストレスを感じたら、矯正歯科医に相談してみてください。

 

ガミースマイルの治療は、その人のガミースマイルを引き起こしている原因の種類や、どの程度の改善が必要かによって、口腔外科、審美歯科、矯正歯科など複数の専門科のいずれかを受診します。最も症例が多いのは、矯正歯科です。ガミースマイルの悩みから解放される近道を教えてくれるでしょう。

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歯科医師、歯学博士、フリーランス矯正歯科専門医(日本矯正歯科学会認定医)

1980年名古屋生まれ。2005年愛知学院大学歯学部卒。2006年東京歯科大学千葉病院臨床研修医修了。2010年歯学博士取得(東北大学)。2011年東北大学大学院顎口腔矯正学分野助教。日本矯正歯科学会認定医取得。2014年宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業。
最新の技術で〝噛み合わせ〞と〝エステティック〞に配慮した矯正治療を行う。矯正治療の技術を活かした一般歯科とのチーム医療で歯の寿命を延ばし、健康な体を保つための理想的な噛み合わせを整える治療計画を提案。歯科医師・衛生士がつたえる本格歯科サイト「歯の知りたい!」で歯並びや噛み合わせに関する情報を発信している。

著者紹介

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