2019年3月の水関連株式市場

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

3月の投資環境

3月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で上昇しました。

 

世界の株式市場は、上旬は、欧州中央銀行(ECB)が経済成長見通しを引き下げたことや米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大幅に下回ったこと、中国の輸出の減少などを背景に世界的な景気後退懸念が高まり下落しました。その後、中旬にかけては中国の景気刺激策に対する期待や、3月米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内利上げ停止が示唆されたことなどが好感され上昇基調となりました。

 

下旬にはドイツの製造業購買担当者景気指数(PMI)の急落や米国における長短金利の逆転などを背景に、世界経済の後退懸念が再燃し、再び下落しましたが、月間では小幅な上昇となりました。業種別では、生活必需品、情報技術、公益などの上昇率が高くなった一方、金融や資本財・サービス、素材などは下落しました。こうした中、水関連企業の株価(現地通貨ベース)はほぼ市場並みとなりました。

 

[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2009年3月末~2019年3月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移
円換算ベース、月次、期間:2009年3月末~2019年3月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

上下水道ビジネス・セクターは横ばいとなりましたが、装置製造・エンジニアリング及び環境マネジメントサービスの両セクターは上昇しました。上下水道ビジネス・セクターについては、英国の水道公益企業は今後の水道料金改定にむけて当局と順調に手続きが進んでいるものの、英国のEU離脱の不透明感や水道事業の再国有化の議論もあり軟調でした。その他欧州と米国の水道公益企業は堅調でした。米国のアクア・アメリカはガス事業の買収資金をカナダの年金基金から調達することを発表し株価が小幅ながら上昇しました。

 

 

[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2009年3月末~2019年3月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移
月次、期間:2009年3月末~2019年3月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

装置製造・エンジニアリング・セクターでは、モニタリング関連でダナハーやサーモフィッシャーサイエンティフィックがライフサイエンス分野での需要の構造的な増加などにより堅調な今年の見通しを発表したことなどにより上昇しました。また、多角経営企業ではエコラボが、独自の環境に配慮した製品が評価され堅調な展開となりました。一方、キャンテル・メディカルとアンドリッツは発表された業績が予想に達せず下落しました。地方自治体のインフラ企業のザイレムは、同分野のトップ企業としてサービス事業の拡充を進めたことが株価上昇要因となりました。

 

環境マネジメント・サービス・セクターも主に廃棄物処理銘柄にけん引され上昇となりました。良好な需給関係と堅調な料金推移が評価されています。特にウエイスト・コネクションズはM&A戦略により事業範囲を拡大し、廃棄物収集の効率を高め、事業効率を改善させています。

 

 

今後の見通し

水への需要は人口動態の変化、経済成長、医療問題、商業化(民営化)、サスティナビリティーなどのメガトレンド(長期的な大きなトレンド)により増加していくものと見られ、水関連銘柄への投資が重要になります。経済成長と都市化の進展により、都市における水の需要は2050年までに現在より80%増加すると予想しています。

 

また、多くの人々が下水処理などの衛生設備にアクセスできないでいます。国連とOECD(経済協力開発機構)の予想では、現行の投資ペースでは2050年においても依然として14億人が公衆衛生サービスを受けられないとしています。この問題を解決するためには、2030年まで現状年間6,000億ドルの投資ペースから年間1兆ドルへ増加させる必要があると推定しています。こうした投資の必要性により水関連の投資収益は高いものとなり、投資家にとって魅力的なものとなると考えています。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

 

※※市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2019年3月の水関連株式市場』を参照)。

 

 

(2019年4月18日)

 

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1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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