ポイント
インドの総選挙では大きなサプライズはなさそうです。もし、あるとしても、インド市場の見通しは明るいと考えられます。
インドの総選挙(下院選)は、2019年4月11日から投票がはじまりました。多くの投資家は、選挙の結果によって、過去数年間進められてきた「改革」の流れが妨げられることがないか、慎重に情勢を見極めようとしています。ですが、そのような投資家の懸念は無用であるとみられます。
インドの総選挙は前述の通り、2019年4月11日から約6週間にわたり各地で投票が行われ、5月23日には開票が始まります。有権者はおよそ9億人に及び、数百にもおよぶ政党が名乗りを上げています。投票は電子投票が採用されるところもあれば、はたまた象の背中で投票、というケースもあります。大規模でかつ多種多様な社会情勢などを背景に、政治動向は複雑になりかねません。
直近の世論調査によると、モディ首相のインド人民党が中心メンバーとなっている政党連合・国民民主同盟が引き続き多数議席を獲得する可能性が高いとされています。ただ、世論調査による獲得予想議席数は273議席で、圧倒的過半数を獲得できるかは微妙な情勢です。
一方、差は大きいものの野党インド国民会議などが中心となる統一進歩同盟がそれに続くかたちです。
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さらに、与党インド人民党の支持率は改善しつつあります。農村部に対する政府支出の増加やパキスタンとの軍事的緊張の高まりに対しての対処などが好感されたことがどが、支持率改善につながったと考えられます。
モディ政権を支える国民民主同盟が圧倒的過半数を獲得できない可能性があることは、市場をかく乱する要因となる可能性もあります。しかし、こうしたことで市場が変動する局面はむしろインド株式の投資の好機であると考えます。インド経済は今後中長期的にみても高い成長が期待できるとの見方には変わりなく、こうした良好な経済環境下で「質の高い」経営を行う企業は成長していくことが期待されるからです。
また、これまでモディ政権が行ってきた様々な改革の多くは、経済や社会に深く根付いており、たとえ、野党連合が勝利した場合でも、こうした改革の流れが完全に止まってしまう可能性は低いと考えられます。例えば、破産・倒産法(2017年)や物品・サービス税(GST)(2018年)などの政策が根底から覆されることはないとみています。
※※市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。
当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『インド総選挙、投票開始。~モディ再選の可能性大~』を参照)。
(2019年4月18日)
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