インド市場の推移
インドの株式、通貨
株式市場は過去最高値更新
利下げや総選挙での与党勝利を期待
■インド株式市場は、代表的な株式指数のSENSEXが4月2日に過去最高値を更新するなど、堅調な展開が続いています。インド準備銀行(RBI)の利下げや総選挙での与党勝利の観測から、企業の利益成長が拡大するとの見方が強まりました。特に、3月の海外投資家の買い越し額が40億米ドルを超えるなど、海外からの資金流入が加速し、相場を押し上げています。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを見送る見通しを示したことで、グローバルなリスクオン(選好)が継続し、新興国への資金流入が増えていることが背景です。SENSEX指数の過去1カ月のリターンをセクター別にみると、利下げや財務改善への期待から、銀行株を中心に金融セクターが同指数の上昇をけん引しています。
インド準備銀行が連続利下げ
■RBIは4月4日の金融政策決定会合で、市場予想通り、政策金利を6.25%から6.00%へ引き下げました。政策スタンスについては中立を維持しました。RBIは2019/20年度の成長率見通しとインフレ見通しをそれぞれ下方修正しており、市場には更なる追加利下げ観測が残りそうです。ただし、RBIは過去2回の利下げ効果を見極めるため、当面、政策金利を現水準で据え置くとみられます。
選挙情勢が注目される
■4日のインド株式市場は、RBIの利下げ実施を受けて、材料出尽くしから利食い売りが優勢となり、下落しました。今後は、4月11日から始まるインドの総選挙が、相場の材料として注目されそうです。株式市場を巡る投資環境は基本的に良好とみられますが、株価上昇に伴いバリュエーション面では割安感が乏しいことから、悪材料に反応しやすい点には注意が必要だと思われます。
(2019年4月5日)
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