最終的に「売却」できてから利益が確定する
収益物件の活用は取得、管理運営、そして最終的に売却して利益が確定します。株式も同様です。取得価格があって、保有期間に配当が入り、最後に売却をしていくらの利益が出たか、損失が出たかがはっきりするのです。
特に、配当が出ている(キャッシュフローを得られている)からいいとしてしまうことが多いのですが、最後に元金(物件価格)が下がっていてはトータルで損失になってしまうこともあります。この一連の流れを理解して収益物件の活用を行う必要があります。
物件の価格基準を知らなければ売却方法は決められない
では、具体的に売却をどのような形で迎えればいいのでしょうか。売却の形は大きく2つです。アパートをアパートとして売るか、もしくは更地にして売るかです。これは、物件の価格が決まる基準によって異なります。価格が決まる基準になるのは、物件の収益性(利回り)あるいは資産価値(土地値)の2つで、いずれかの高いほうとなります。
どちらの基準で価格が決まっているかによって、売り方は異なります。収益性で決まっている物件に関しては、アパートのまま売るほうが高く売れます。一方、資産価値(土地値)によって価格が決まっている物件はできるだけ更地に近い状態で売ることで高く売れます。つまり、自分の物件の価格がどちらの基準で決まっているのかを理解しなければ、最適な売り方もわからないということです。
収益性の物件では、言葉のとおり収益性で価格が決まってきますので、できるだけ賃料を高く、かつ入居率を高くする必要があります。逆に資産価値の物件は、取り壊しのためには入居者がいないほうがいいのですから、新規の入居者を入れないだけではなく、既存の入居者にもトラブルなく出ていってもらう必要があるのです。
現場で取引をしていると、これを理解せずに真逆の行動をとられている売り主さんを頻繁に目にします。特に多いのが、「収益性の物件」にもかかわらず、入居者を一所懸命出してしまって売ろうとしている方です。これでは、せっかくのアパートの価値を損なってしまいます。
【アパートのまま売るか、更地にして売るか】