ビットコインの送金時間が「10分」かかる理由
BULLヒロです。「3分で分かる仮想通貨」という、仮想通貨情報サイトを運営しております。
第31回以降のテーマは「仮想通貨トレードの知識」です。本テーマでは、実際に仮想通貨を売り買いする上で必要な知識を解説していきます。今回は「ビットコインの送金詰まりから読み取れる情報」についてです。基礎的な情報ですので、これから仮想通貨投資を始める方や、始めたばかりの方はしっかり確認しましょう。
◆ビットコインの送金は10分程度かかる
ビットコインは銀行などのシステムを介さず、24時間365日どの国の対象者に対しても送金できる非常に便利なシステムですが、送金時間に10分程度必要になります。仮想通貨のなかには、数秒以内に送金が完了するものもあるため、ビットコインの性能が悪いという評価をされることもありますが、ビットコインの送金時間は当初から設計されたものです。
ビットコインを送金する際には、不特定多数のマイナーのなかから、実際にマイニングするマイニングマシーンが選出され、取引に関わる計算が行われます。この処理時間を早くするほど、ネットワークへ不正アクセスが行われた際の被害拡大スピードも上がります。不正アクセス時の被害を最小限に食い止められるように、1つの処理時間に一定以上かけるよう設計されています。そのため、送金に10分程度かかるのは仕方ないのですが、実際の送金には10分以上かかる場合もあります。
◆ビットコインの送金遅延はなぜ発生するのか
ビットコインは、現時点では10分間に1MB程度のデータが処理できるように設計されています。1MBと言うと物凄く小さく感じますが、ビットコインの処理に関わるデータ自体が小さいので、通常は問題ありません。
送金データ量がこの1MB/10分を超えた場合は、未確認取引として処理待ち状態になり、10分以上の時間がかかります。現時点での未確認取引の数は「Blockchain」のサイトで確認することができます。
2019年2月後半時点では、8,541件の未確認取引があります。この件数が5万件を超えてくると、遅延を意識する人が増加するイメージです。2017年のピーク時には、約25万件もの未確認取引が常に待機している状態でした。
ビットコイン送金の集中には「アルトコイン」の存在が
◆ビットコインの送金詰まりから読み取れること
ビットコインの送金はビットコインアドレスへの送金時に行われ、利用されるケースとしては決済目的と送金目的に分かれます。現時点では、ビットコイン決済に対応しているサービスはまだまだ普及していないので、決済目的の送金は少ないでしょう。そのため、主な目的は送金で、その用途は取引所への送金や個人間の送金です。
個人間の送金については、送金速度が早く、取引手数料の安いアルトコインが多く存在するため、ビットコインの送金は取引所間の送金が主であると推測できます。
取引所に送金する主な目的は、ビットコインを別の取引所に動かすことではなく、ビットコインを元金としてアルトコインを購入するためのものです。このことから、ビットコインの送金詰まりからは「アルトコインに対する投資意欲」が見て取れるといえるのです。
アルトコイン市場に資金が流れ、価格が上昇しているときには、ビットコインの送金詰まりの状況を照らし合わせることで、投資判断の精度をさらに上げることができます。