今回は、仮想通貨市場内を資金循環させる「2つの要因」について見ていきます。※本連載では、仮想通貨FXトレーダー向けサイト「3分で分かる仮想通貨」を運営するBULLヒロ氏に「仮想通貨投資」の基礎知識について解説していただく。

Tetherを中心とした資金の流れから「トレンド」を掴む

BULLヒロです。「3分で分かる仮想通貨」という、仮想通貨情報サイトを運営しております。

 

第31回以降のテーマは「仮想通貨トレードの知識」です。実際に仮想通貨を売り買いする上で必要な知識を解説していきますが、今回は「仮想通貨市場のなかの資金循環の見方」についてお話しします。

 

今回から10回程度は、仮想通貨トレードをすでに行っている方であれば誰でも知っている知識を紹介します。基礎中の基礎情報ですので、もし読んでいて知らなかったことがあれば、誤った判断基準で銘柄を売り買いしてしまう可能性があるので、これから仮想通貨を始める方や、始めたばかりの方はしっかり確認してください。

 

◆資金循環は相場の基礎

 

株式や先物の投資をした経験があれば、資金循環について意識されている方は多いでしょう。

 

世界全体では国であったり商品であったり、世界の様々なもののパワーバランスによって綱引きが発生し、様々な市場で資金の流入や流出が発生しています。仮想通貨においても同じように資金の循環が発生しており、その流れを見抜くことこそが、中期的なトレンドを見抜く上で重要です。

 

◆仮想通貨市場内の資金循環を確認する方法

 

仮想通貨市場内の資金循環については、「Coinlib」というサイトで確認でき、主な仮想通貨が何をもとに買われているのかというデータを公開しています。下記図表では、左側が購入元、右側が購入先をあらわしています。

 

(出所:© Coinlib.io)
(出典:©Coinlib.io)

 

まず特徴といえるのは、USDのペッグ型の仮想通貨(USDと価格が連動する仮想通貨)である、Tetherのボリュームです。

 

仮想通貨に一度換金された資金は、現金化されずに仮想通貨のまま保持されるものが多く、価格変動のないTether(USDT)は非常に人気があります。このTetherからの資金の流れの大きさにより、現在の主なトレンドを掴むことが可能です。

購入元が「現金」か「ペッグ通貨」かどうかが重要に

◆資金の流入元に関する考え方

 

仮想通貨市場全体の資金流入の大きさについても、US Dollar以下のフィアット欄を見ることで、その流れを確認することができます。

 

現金で仮想通貨が買われる流れが強くなっているのか、または、ペッグ通貨などによって、仮想通貨市場内だけで資金が回っているだけなのか、を見極めることで中期予測の精度が上がるはずです。

 

価格が上昇し、購入者が増加した状況のなかで、現金で買われている通貨とそのボリュームを確認しましょう。現金購入のボリュームが多ければ、その通貨圏の社会的なトレンドになっていて、流れが継続する可能性が高まります。あくまでペッグ通貨などで購入されていれば、一時的なトレンドで終わる可能性が高いです。

 

◆仮想通貨のセクターについて

 

最後に、仮想通貨におけるセクターについて解説します。

 

ここでいうセクターとは、投資対象としての大まかなカテゴリーのことで、株でいうと小売系、IT系などのことです。仮想通貨においても、セクターの概念は大まかに存在し、決済系やDapps系(アプリケーション開発)など、カテゴリー分けをすることができます。

 

相場全体が下落基調な場合、どのセクターも死んでしまいますが、相場環境が好調傾向にあるときはセクター買いの考えが有効です。

 

「Coinlib」で資金流入している通貨を確認し、同じセクターの関連銘柄を買うような手が有効になります。この方法は相場、つまりビットコイン価格が上昇しているときに有効な方法なので、ある程度市場環境がよくなってから意識するといいでしょう。

 

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