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連載PICTETマーケット情報【第25回】

グローバル・マーケット・ウォッチ:遺伝子治療に強みをもつスパーク・セラピューティクスが買収される

バイオ医薬品

マーケットレポート

グローバル・マーケット・ウォッチ:遺伝子治療に強みをもつスパーク・セラピューティクスが買収される

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

 

ポイント

2019年2月25日、スイスの大手医薬品企業ロシュ・ホールディングが遺伝子治療に強みをもつスパーク・セラピューティクス(米国)の買収を発表しました。2018年には大手医薬品企業ノバルティス(スイス)がアヴェクシス(米国)を買収するなど、遺伝子治療に強みをもつ企業へのM&A(合併・買収)が続いています。

スイス大手医薬品ロシュがスパーク・セラピューティクスを43億ドルで買収

2019年2月25日、スイスの大手医薬品企業ロシュ・ホールディング(スイス)が遺伝子治療の分野に強みを持つスパーク・セラピューティクス(米国)を43億ドル(約4,750億円)で買収することを発表しました。

 

スイスの大手医薬品企業では、2018年のノバルティス(スイス)によるアヴェクシス(米国)買収(87億ドル(約9,600億円))に続く遺伝子治療に強みを持つ企業の買収となりました。

遺伝子治療の例:スパークとアヴェクシス

一部の希少疾患は、遺伝子に関連しており、患者は自身の遺伝子に疾患の原因となる変異を持っています。

 

スパーク・セラピューティクスが治療薬を持つ血友病では、欠乏している遺伝子が血液凝固のプロセスに影響を与えています。患者は、血液凝固因子が作れないため、怪我をした際に最悪のケースでは命にかかわる可能性のある、過剰な出血の原因となります。

 

ノバルティスが買収したアヴェクシスは、重度の神経筋疾患である脊髄性筋萎縮症(SMA)の遺伝子治療を開発しています。重度のSMAで生まれた子供は、筋肉があまり発達せず、寝返りやひとり立ち、歩行などの正常な発達を遂げることができません。治療法がない頃の平均余命は1年を下回っていました。アヴェクシスの遺伝子治療では、すべての子供が24ヵ月以上生存し、83%の子供が座ることができ、一部は歩くことができるなど、正常な発達に近づいています。アヴェクシスのSMA遺伝子治療は、まさに患者にとって画期的な治療となっています。

遺伝子治療の方法

遺伝子治療は本質的には「トロイの木馬」のようなものです。アデノ随伴ウィルス(AAV)と呼ばれる小さなウィルスが、患者の細胞内に足りない遺伝子を運ぶために使用されます。AAVは、自身のDNAを含んでおらず、増殖することはありませんが、患者の細胞に感染します。そしてAAVは、足りない遺伝子を運び、患者の細胞に感染することで、治療を行います。

遺伝子治療における高額の治療費は正当化される?

遺伝子治療の治療費が高額であることは注目を集めています。アヴェクシスの遺伝子治療は約400万ドル(約4億4,000万円)になるといわれています。この高額な設定は行き過ぎに思われるかも知れませんが、忘れてはいけないのは、これらの治療は一回限りであるということです。実際、米国の薬価の監視機関であるICER(臨床経済的評価研究所)は、ノバルティスの遺伝子治療は患者一人当たり400万ドルを超える治療費でも費用対効果が高いと示した論文を発表しています。

 

 

研究・開発が進む遺伝子治療

遺伝子治療で注目されるバイオ医薬品企業は多くあります。現在、承認された治療法が存在しない肢帯型筋ジストロフィーの遺伝子治療について非常に良好なデータを発表しているサレプタ・セラピューティクス(米国)は、その一例です。

 

年初来、バイオ医薬品株式は市場平均を上回って大きく上昇していますが(図表1参照)、その背景にはM&A(合併・買収)の動きや良好な企業業績に加え、バイオ医薬品企業にとってもっとも重要である真の科学的なイノベーションがあるといえます。

 

[図表]年初来のバイオ医薬品関連株式の推移

日次、ドルベース、期間:2018年12月31日~2019年2月27日 ※バイオ医薬品関連株式:ナスダック・バイオテック指数、米国株式: S&P500種株価指数 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
日次、ドルベース、期間:2018年12月31日~2019年2月27日
※バイオ医薬品関連株式:ナスダック・バイオテック指数、米国株式:S&P500種株価指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『遺伝子治療に強みをもつスパーク・セラピューティクスが買収される』を参照)。

※記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。また、当資料におけるデータは将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

 

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(2019年3月1日)

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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