2019年1月の水関連株式市場

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

1月の投資環境

1月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で上昇しました。

 

世界の株式市場は、米アップルの業績見通し引き下げなどを受けて年初から下落する場面もありましたが、米中通商交渉の進展に対する期待や米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が金融政策を柔軟に運用する姿勢を示し米国の利上げ休止観測が高まったこと、中国が景気刺激策実施を示唆したことなどを背景に上昇基調となりました。

 

その後も市場予想よりも底堅い企業決算の発表が続いたことや米国の一部政府機関閉鎖が一時解除されたことなどが株式市場にとってプラス要因となり、月間でも株式市場は大幅な上昇となりました。業種別では、全ての業種が上昇する中、2018年12月に大きく下落した資本財・サービスは大きく上昇した一方、ディフェンシブ性(業績が景気の変動に左右されにくい特性)の高い公益は相対的に小幅な上昇となりました。

 

こうした中、水関連企業の株価(現地通貨ベース)は市場を上回る上昇となりました。3セクターすべてが上昇となるなか、モニタリング関連企業や多角経営企業のパフォーマンスが良好となった装置製造エンジニアリングセクターが最も上昇しました。ダナハーやサーモフィッシャーサイエンティフィックなど数多くのモニタリング関連企業の通期決算での良好な収益が確認され、ライフサイエンス商品の需要が堅調であることが示されました。

 

消費関連銘柄もまた、米住宅指標がより反映された見通しに修正されたフォーチューン・ブランズ・ホーム&セキュリティにけん引され上昇しました。また、韓国の住宅環境関連製品をレンタルするコーウェイも良好なパフォーマンスとなりました。少数株主のウンジンによる持分の買い増しで、期待以上の財務支援が確実なものとなり、アジア太平洋地域における浄水器と空気清浄機リースの最終市場の需要が継続しています。

 

フローサーブおよびザイレムは、地方債の発行が減少していることや建設会社の楽観的な見方が弱まっている事などから最終市場である地方自治体の不透明感が増しているにも関わらず、良好なパフォーマンスとなりました。不動産税は地方政府の収入の重要な項目の一つであるため、米住宅市場の軟調は最終市場である地方自治体にも影響を与えることに注意しなければなりません。

 

ノボザイムズは、通期の決算発表にて2019年の収益予想を引き下げたことから下落しましたが、一部は地域的な事情やコモディティ価格の影響によるものです。

 

 

上下水道ビジネスセクターは、特にサンパウロ州基礎衛生公社にけん引された新興国のコンセッション関連が良好なパフォーマンスとなり、上昇しました。ブラジル政府は2018年12月末に議会に公衆衛生規制の枠組みや水供給管理の対話の改善にフォーカスした法案を提出しました。この新しい枠組みは、現行の規制の複雑さを低減させ、また、政府が当セクターへの投資を促すことを強く示唆しており、民営化に向けた一歩である事を示しています。英国の規制下の水道公益事業銘柄は、市場で取引されている全3銘柄の向こう5年間の事業計画が消費者の利益にそうものとして規制当局に承認されたため、堅調なパフォーマンスとなりました。そのため、セバーン・トレント、ペノン・グループ、ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループの見通しが改善する一方、他の英国の水道公益企業14銘柄は7月の決定に向け修正計画を再提出しなければならず、3銘柄は優位な立ち位置となりました。

 

環境マネジメント・サービスセクターもまた上昇しましたが、特に廃棄物処理銘柄が2018年に続き良好に推移しました。これらの銘柄は、良好な需給関係と廃棄物収集作業の効率化が評価されています。

今後の見通し

安定的だった世界のマクロ景気は世界の経済成長の不透明感により揺るがされています。グローバル企業の2019年の利益成長は2018年の増益ペースに比べ減速すると予想されていますが、グローバルでのGDP成長率見通しは2018年並みの水準とされています。そのため、企業の金利上昇への対応力や価格決定力は引き続き良好であり、足元の市場のボラティリティの高まりは銘柄のミスプライスをもたらし、魅力的な投資機会を与えるものと考えます。

 

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。 

 

[図表1]水関連企業の株価推移

円換算ベース、月次、期間:2009年1月末~2019年1月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
円換算ベース、月次、期間:2009年1月末~2019年1月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移

月次、期間:2009年1月末~2019年1月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
月次、期間:2009年1月末~2019年1月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2019年1月の水関連株式市場』を参照)。

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(2019年2月25日)

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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