小児科医で2児の母…私が「離乳食」を作らない理由

仕事と子育ての両立を考えるなか、ストレスに感じやすい「離乳食作り」。時間が足りない、食べてくれない、栄養バランスは…色々考えてイライラと不安でいっぱいになっている方も多いのではないでしょうか。本連載は、小児科医であり2児の母でもある、工藤紀子氏の著書『小児科医のママが教える 離乳食は作らなくてもいいんです。』(時事通信社)のなかから一部を抜粋し、市販の離乳食を活用しながら育児を楽しむ方法を紹介します。

離乳食を作らないと、元気で頭のいい子が育つ⁉

元気で頭のよい子に育てたいからこそ

「離乳食作らない宣言」

 

本書を手にとってくださり、ありがとうございます。読者のみなさんにはいろいろな方がいらっしゃると思います。

 

これから始める離乳食に不安がある方。

いま離乳食をがんばっているけどつらい方。

離乳食時期で奮闘しているご家族がいる方。

離乳食をあげてみたいなと思っているパパ。

離乳食で栄養が足りているか気になっている方。

保育ママの仕事に興味はあるけど、離乳食作りが心配だから前に進めない方。

 

そうしたみなさんも、この本を読めば、「離乳食は作らなくてもいいんです。」という理由がよくわかっていただけると思います。

 

そして、

・離乳食に対する不安がなくなります

・離乳食作りの負担が激減します

・誰でも安全で栄養バランスのとれた離乳食をあげることができます

・体の栄養が満たされることで、心の栄養も満たされます

 

そうなると、

・ママの笑顔が増えます

・パパの笑顔が増えます

・育児にかかわるすべての人の笑顔が増えます

 

つまり、みんなの笑顔が増えて、子どもの心身によい影響を与え、元気で頭のよい子が育つのです。その秘訣をご理解していただくには、私のことを少し知っていただく必要があるので、お話しさせてください。

「手作りの離乳食」にこだわるのは日本だけ

私は小児科医になった後、大学院で栄養と子どもの発達との関係について研究しました。本書でくわしくご説明しますが、簡単にまとめると、「鉄」や「DHA」などの栄養が満たされれば、子どもの発達がよくなるということを学んだのです。

 

大学院に通いながら、毎日多くの子どもたちを診察し、ママたちと話をする機会が増えました。なので、小さなお子さんをかかえるママたちの苦労は知っているつもりでいました。

 

しかし実際は、わが子が生まれてはじめて、子育ての難しさと対面することになります。

 

数時間おきの授乳で毎日寝不足状態(これがボディーブローのようにじわじわきました)。

 

おむつ交換、洗濯、炊事、お買い物。

 

育児と家事に追われ、1日があっという間に過ぎていきました。

 

そんな大変な状況のなかで、離乳食作りが始まります。

 

小児科医師といえども、離乳食作りはまったくの素人。離乳食講習会に行き、離乳食の本も山ほど購入し、栄養バランスのよい離乳食を子どもに与えたいと悩み苦しみ奮闘しました。

 

ところが私の苦労などまったく知らない娘は、一生懸命に作った離乳食を投げたり、ぐちゃぐちゃにしたり、吐きだしたりします。

 

「食べてくれない!」「栄養が足りない!」

栄養の大切さを学んだだけに、気持ちは焦ります。

 

掃除も洗濯も増えてストレスは蓄積するばかり。

 

でも、「これはみんなが経験することだ」「子どものために絶対にやらなければならないことだ」と、どんなにつらくてもがんばり続けていました。そして、いつしか私は「この前に笑ったのは、いったいいつだろう」、そんなふうになっていました。

 

その後、夫の仕事でアメリカへ行くことになり、そこで息子を授かりました。息子の離乳食時期になると、「またあのおそろしい時期がやって来るのか」と暗い気持ちで、「離乳食いつ始めようか、どうしよう」と悩んでいました。ところが、アメリカの小児科の先生に聞くと、みんな離乳食は買って与えているというではありませんか!

 

よく調べてみると、アメリカでもイギリスでもドイツでもオーストラリアでも中国でも、先進諸国では市販の離乳食をあげているようです。

 

「なんということ!」

 

どんな離乳食が売られているのか見てみると、あるわあるわ、栄養面にも安全面にも配慮された離乳食が種類豊富にそろっているのです!

 

実際、息子にあげてみると、とにかく楽チン。

手間がかからない分、気持ちの負担が全然違います。

栄養面や安全面での不安や不満もなくなりました。

 

すると自然に笑顔も増え、離乳食の時間が全然怖くなくなったのです。憂うつな離乳食からニコニコ離乳食に変わった瞬間でした。

市販離乳食で「離乳食作り」のストレスから解放

帰国後はまた診療に戻り、年間にのべ1万人ほどの子どもとそのママたち、家族と接するようになりました。そこで日々目にしたのは、5年前と何も変わっていない日本の状況でした。

 

クリニックにいらっしゃるママたちの多くは、かつての私と同じようにストレスと闘いながら身を粉こにして離乳食作りに苦しんでいたのです。

 

「離乳食は、買ってあげてください」

 

そう言っても、短い診療時間のなかではなかなか理解してもらえません。ママたちにしてみれば、「離乳食は作るのが当たり前」という考えが染しみ付いているためか、すんなり受け入れられないのでしょう。

 

「ありがとうございます。でもがんばります」なーんて、哀しい笑いをしながら言われちゃうんです。以前の私も同じ立場なら、きっとそう言ったでしょう。

 

しかし私は気休めや慰めで言っているのではなく、子どもの発達のためにも、医学的根拠にもとづき、市販離乳食を使ってほしいと強く願っているのです。

 

離乳食の時期は、疲れもイライラもマックスになる時期。そんな大変な時期に、さらに大変な思いをして離乳食を手作りしなくてもいいんです!

 

赤ちゃんの健康と成長を考えた栄養満点の離乳食を作ろうとしてがんばらなくてもだいじょうぶなのです。

 

離乳食作りから解放されれば、ママの笑顔が増えます。

 

ママの笑顔が増えれば、子どもはもっと笑うようになり、夜もよく眠るようになります。栄養面で不足していたものが満たされ、情緒が安定すれば、元気で賢い子が育ちます。

 

最初のスタートがうまく切れると、その後の育児はよりスムーズに進みます。

 

もうよいことづくしです。

 

笑顔の時間を増やすために、子どもの発達を促すために、元気で楽しく過ごすために、「市販の離乳食」に切り替えましょう。

 

本連載では、なぜ「作らないほうがうまくいく」のか、順を追ってご説明いたします。栄養豊富で安全・安心、手軽で便利な市販の離乳食を上手に採り入れる方法もお話ししていきます。

 

さあ、あなたも今日から「離乳食作らない宣言」をしてみませんか?

 

小児科専門医・医学博士

順天堂大学医学部卒業、同大学大学院小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。日本小児科学会認定小児科専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/こころ新橋保育園嘱託医/東京インターナショナルスクール中目黒キンダーガーデン嘱託医。夫の仕事でアメリカに渡り子育てを経験する。現在2児の母。都内クリニックにて、年間のべ1万人の子どもを診察しながら子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。
最新著書『小児科医のママが教える 離乳食は作らなくてもいいんです。』(時事通信社)

著者紹介

連載小児科ママが教える「離乳食を作らない」子育て術

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧