銀行口座を所持できない人は、世界に「20億人」以上も
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仮想通貨は、世界的には「Crypto currency(暗号通貨)」と呼ばれ、あくまで通貨としてのイメージが強いブロックチェーンプロダクトですが、通貨以外の用途にも注目が集まっています。今回は、その一例として「発展途上国が抱える銀行口座難民とブロックチェーンの可能性」について考えていきます。
◆発展途上国での「銀行口座難民」
多くの日本人は当たり前のように銀行口座を持っていますが、世界銀行の2015年のレポートによると、銀行口座を所持できない人は、世界に20億人以上も存在しています。
特にアフリカ諸国などの発展途上国を中心に、この問題は続いています。資産が少額であったり、担保となる家財や固定の住所がなかったりと理由はさまざまです。銀行側としても、預かった資産の運用・管理をするにあたり、一定の生活水準や資産がないと、そもそもの事務手続きを開始できないということです。
ブロックチェーンを活用した分散型の自動処理では、低コストで口座の管理・記録が可能です。銀行口座難民に細やかなサービスを届けられることができるため、注目が集まっています。
◆アフリカ諸国にハイテクサービスは普及するのか?
では、仮想通貨やブロックチェーンのようなハイテクサービスが、アフリカ諸国をはじめとした発展途上国に広がるのでしょうか。その可能性は非常にポジティブだということが、調べるほどわかります。
ここ数年の発展途上国や経済後進国では、経済大国が通ってきた歴史を何段も飛ばして、技術の普及するケースがよくあります。 もっとも有名なものでは、中国の農村部まで浸透したQRコード決済などです。様々な試行錯誤のうえ開発された最新技術が、パソコンに触れたことのない人が大多数の地域で一気に広まったのです。
この現象の源となっているのは、やはりスマートフォンです。たとえば、インフラの整備も進んでいるアフリカ諸国では、スマートフォンの普及率も毎月上がっており、2020年までに、大陸全体の約半分である7億人が携帯電話を利用するといわれています。電気や水道などの基礎インフラより前に、スマートフォンを手にしたアフリカ諸国の消費者が、オンライン決済可能な口座を求めるのは自然な流れです。
過去に爆発的に普及した「マイクロファイナンス」
アフリカ諸国で金融機関の顧客になれなかった銀行口座難民を救い、一気に普及したサービスの事例に、マイクロファイナンスがあります。信用力の低い個人に対して無担保の少額ローンを提供することで、貧困層が立ち上がるきっかけを作り、一大ムーブメントを巻き起こしました。
今後の経済発展が期待されるアフリカ市場では、銀行のサービスを利用できない大量の消費者や、普及が加速するスマートフォンなど、低コストで信用力の裏付けも可能なブロックチェーンの利用条件が重なっています。
これからの仮想通貨の成長を予測するには、ETFの承認などで注目されている先進国の証券市場だけでなく、発展途上国の動向にも注目するべきでしょう。