2022年には、12兆円規模にまでの成長が予測される
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仮想通貨市場の将来を予測し、今後の投資に役立てていただくための情報をお伝えしていきます。
仮想通貨は、世界的には「Crypto currency(暗号通貨)」と呼ばれ、あくまで通貨としてのイメージが強いブロックチェーンプロダクトですが、通貨以外の用途にも注目が集まっています。今回は、その一例として「IoT(Internet of Things)分野でのブロックチェーンの可能性」について考えていきます。
現在、IoTで最も注目されている機器は「Google Home」や「Amazon Echo」を代表としたスマートスピーカーでしょう。これらは音声認識とAI技術により、執事に声をかけるような感覚でエアコンや照明などの家電製品を操作することができます。
いまは一部の家電の操作程度ですが、近い将来には電化製品はすべてインターネットに接続し、遠隔操作やデータ収集ができるようになるといわれ、成長が期待されています。IT専門調査会社であるIDC Japan 株式会社のデータによると、IoT市場の2017年実績は6兆2,286億円でした。今後年率14.9%で成長し、2022年には12兆円規模になると予測されています。
IoTと相性抜群な「ブロックチェーン」の特性
電子機器をIoTで接続すると、一つ一つ分かれていた操作を統合できるため、ユーザーの利便性、いわゆるユーザーエクスペリエンスが飛躍的に向上するといわれています。しかし、大量の電子機器の情報が一つのサーバに送られると、たとえ1件1件のデータ量は小さくとも、並列処理が苦手な現在のコンピュータでは、計算処理やレスポンスが遅れ、満足に動作できなくなるおそれがあります。
そこで出てくるソリューションが、複数のサーバーによる分散処理です。ブロックチェーンは、大量のコンピューターによる分散処理なので非常に相性がいいといえるでしょう。さらにはスマートコントラクトにより、ブロックチェーン上のプログラムによる自動処理も可能になります。
たとえば、あなたが街を歩いていて、シェアサイクルを借りたいとします。現在は、シェアサイクルの申し込みページに個人情報やカード情報を入力するなど、契約から決済までに多くの作業が必要です。
しかし、生体認証・IoT・スマートコントラクトを利用すれば、シェアサイクルに触れた時点で自動的に契約されます。支払いも翌月ではなくリアルタイムです。さらに、1円以下の最小単位、利用した距離1m単位で自動化するようなことが可能です。サービスを利用するうえでの障壁がなくなり、ユーザーの手間が減るでしょう。また、利用者が増加することで、提供側にもメリットを出すことができます。
冒頭でIoT市場の成長予測を紹介しましたが、今後は消費者が「IoT製品を買う」と意識せずとも、自然に浸透していくものだと考えています。たとえば、パナソニック株式会社は「スマート家電」という商品カテゴリを持っています。このくくりにあるテレビ・洗濯機・炊飯器などの様々な家電は、インターネットを使いスマートフォンなどで操作することができます。
日用品として意図せずに買った家電が、いつのまにかインターネットにつながっている。そして、利便性に気づいたユーザーが利用を開始しようとする時、すでに自宅にはスマート家電が複数存在しているような状況です。
このように、止まらない成長市場のなかでブロックチェーンが注目されることは、仮想通貨投資を行っている筆者にとって喜ばしいことです。IoTに特化したICOプロジェクトは海外中心であり、国内で投資可能なものはありませんが、ブロックチェーンを扱う会社への注目度に少なからず影響することは間違いないでしょう。