米スーパー「Walmart」がブロックチェーンを活用
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仮想通貨は、世界的には「Crypto currency(暗号通貨)」と呼ばれ、あくまで通貨としてのイメージが強いブロックチェーンプロダクトですが、通貨以外の用途にも注目が集まっています。今回は、その一例として「製造管理とブロックチェーンの可能性」について考えたいと思います。
米国に本社を置く世界最大のスーパーマーケットチェーンWalmart(ウォルマート)が、レタスやほうれん草をはじめとした葉菜類の製造業者に対して、ブロックチェーンでの生産管理を求め、2019年9月30日までにシステムを稼働させることを発表しました。
今年の4月ごろ、米国では大腸菌ウイルスが流行していました。死者も出てしまい、保健当局が消費者へアリゾナ州ユマ産のレタスを食べないよう警告もしていました。このような状況下で、店頭に並んでいる野菜の産地を保障し消費者に安心させるためのソリューションとして、ブロックチェーンが選ばれたというわけです。
◆自動車などの大型製品の製造ラインに最適
Walmartの例はあくまで「生産地の改ざん防止」であり、1つの生産情報の保障に焦点が当たっています。しかし、生産の現場で最もブロックチェーンと相性がいいのは、複数の拠点をまたぐ製造品です。部品が数十万点におよぶ自動車などがそれにあたります。
部品ごとの製造日・場所・担当者・使用した機械・組み立てまでの工程といったすべてのデータが、改ざんを防止した状態のオンライン上に集まれば、生産量の管理も不良品対応も今よりスピーディになり、よりよいサプライチェーンに進化できることに疑いの余地はありません。
実際の活用には「規格統一」という課題もあるが…
これまでお伝えしただけでも、製造の現場におけるブロックチェーンの相性のよさは感じていただけると思いますが、実際には規格統一という課題があります。同じ情報を記述するにしても、統一された言語とルールに基づく必要があるのです。これについては先ほどのWalmartのように、現時点で経済規模を持っている小売やメーカーが、自社の生産関係会社に統一規格の採用を勧めるか、業界団体で統一するしかないと考えられます。
投資についてですが、ブロックチェーンを活用した生産管理の有力なプロダクトを持つ企業が出現し、これを買収する動きを予測して青田買いするような流れになるのではないでしょうか。
ブロックチェーンを活用した技術会社、主にICO発行トークンへの投資検討では毎回同じ判断になりますが、ICOによる資金調達をしている会社のほとんどは、株式市場での資金調達ができないいわゆるベンチャー企業です。上場企業への株式投資とは違い、まだ売り上げやプロダクトができていなくても、資金調達が気軽にできてしまいます。
そもそもほとんどのICOは海外で発行されていて、国内から投資を行うことができません。仮に投資可能な案件があったとしても、プロダクト完成の見込みがあり、かつ大手企業への採用見込みが立ちそうなものを慎重に選ぶ必要があるでしょう。
そのような前提の上ですが、製造管理におけるブロックチェーンの活用は、ほかの業界より頭一つ抜けており、世界的な採用見込みは高いと考えています。今後の動向に注目しましょう。