雨漏り、境界トラブル…絶対に購入を避けたい「瑕疵物件」の例

今回は、高額な修繕費がかかったり、そもそも入居者を入れられないといった瑕疵物件の具体例を見ていきます。※近年の不動産投資ブームにより、チャレンジする人は右肩上がりに増加しています。しかし、どんな投資であっても「リスク」があることを忘れてはなりません。本連載では、物件選びの注意点から「ファイナンシャルプラン」の考え方、リフォーム、実際の投資事例まで、リスクを抑えた不動産投資の基本について、一連の流れを分かりやすく紹介します。

物件そのものから土地の境界まで…慎重な事前調査を

築古の土地値物件を探すにあたってはもちろん、建物の築年数は経過していても修繕コストが少なくてすむものが理想です。修繕コストを下げるためには、購入予定の物件を詳細に確認する必要があります。その状態によっては、購入を避けましょう。

 

理由はさまざまですが、リスク回避にコストがかかる、もしくはリスク回避そのものができず瑕疵が残ってしまい、半永久的に賃貸できない、もしくは賃貸に出せたとしてもオーナーとして、入居者や第三者からの損害賠償請求を受けるリスクがあることを頭に入れておかなければなりません。

 

家賃によらず、最低限、入居者が快適に過ごせる空間を準備しましょう。そのために、瑕疵担保責任を免責とする売買契約の場合は、よりいっそう慎重に物件の調査を行うようにしましょう。

 

以下に、注意すべきポイントを解説します。

 

●雨漏れ物件

 

当然、雨漏れはない方がいいのですが、築古物件の場合、防水効果が切れている物件はかなりの確率で存在します。そのときは自分で判断をすることなく、迷わず塗装防水工事業者に同行を依頼し、防水の原因と補修が可能であるのか、その補修がいくらぐらいか購入前に確認してください。

 

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雨漏れがひどい場合、内装の石膏ボードなどが内側から腐ってしまっていることがあります。その場合、いくら新品のクロスを表面に貼っても、下地が腐っていれば数カ月でカビてしまいます。

 

室内の壁の下地から工事のやり直しになり、倍以上のコストがかかる場合もあります。

 

また、こんなケースもありました。4階建て重量鉄骨造のマンション16世帯中、1階の103号のキッチン天井から雨漏れしてくるのですが、その上の203号と303号は雨漏れはしていないのです。そのため、どこから雨漏れしているのかがわからず、数カ月ほど悩まされました。

 

結局のところ、屋上のドレイン配管から鉄骨を経由して雨漏れしていることがわかりました。原因がわからない場合は、雨漏れ原因を究明してくれる業者に依頼しなければなりませんが、1回の調査で20万~30万円のコストがかかってしまいます。

 

●木造で軒天がはがれている物件

 

自社物件の購入を検討する際、こういった物件は迷わずやめるようにしています。

 

まず、雨漏れを放置しておくと木造の躯体が腐ります。また、シロアリは湿気を好みますので木の中に住みつき、繁殖します。シロアリが発生すると柱などの躯体はすぐに駄目になり、軒天の板が剥がれ落ちることさえあります。特に軒天の上には、ベランダもしくは廊下の下地がありますので、それが腐っていれば落下のおそれがあります。万が一、廊下やベランダが落下したら、入居者や来訪者の生命に関わり、大家業としての業務上過失責任を問われることになります。修繕には多大なコストがかかるため、購入するのは控えましょう。

 

仙台市で勤務していたとき、ある投資家が、仙台市太白区の山の上の満室想定利回り30%の物件を購入しました。

 

12室中入居が4室と、ほとんど入居者がいない物件でした。当初8室で350万円前後の修繕費を見込んでいたようですが、ベランダが腐ってグラグラしていると後になって発覚しました。購入金額が12室で960万円であったのに対し、12室分のベランダの取り換えと塗装とで300万円もの追加費用がかかってしまい、収支が大きくずれてしまったのです。オーナー側としては、入居させた以上、建物を安全に維持する責任があります。コストがかかるからといって修繕しないわけにはいきませんので、注意が必要です。

 

●傾いている物件

 

最近西東京に中古の自宅を購入したのですが、物件の選択をするにあたって妻とともに中古住宅をいくつか見てまわっていました。ある物件では、玄関に入ってリビングに入室した際、ぐらぐら頭が回り、車酔いにあったような印象を受けたのです。昨日お酒を飲みすぎたのか? とも思いましたが、妻も同じ印象を受けたようだったので、娘のスーパーボールを置いてみました。すると、窓に向かって動いたのです。つまり、部屋が傾いているということです。

 

建物を水平に戻すためには、ジャッキアップ工事が必要となります。基礎と建物の間にジャッキをいれるのですが、非常に大掛かりな工事で莫大な費用がかかるため、あらかじめ注意しておくことが必要です。

 

●隣地と境界の確定で揉めている物件

 

物件を購入するにあたっては、敷地の境界を確定する必要があります。公募売買といって、謄本上の土地面積で売買を行うことがあるのですが、確定測量の費用が高いため「境界は非明示で売買する」と仲介会社からいわれる場合もあります。必ず境界を確定してもらうようにしましょう。

 

境界が確定されておらず、隣地と揉めていた場合、解体して分筆(一筆の土地を法的に分割すること)し、建売住宅にしようとしても分筆そのものが不可能となってしまいます。そのために必ず境界は確定してもらい、少なくとも測量図面に基づいて境界を明示してもらうようにしましょう。

 

●ライフラインが越境している物件

 

地面を経由しているガス、水道などは、道路から直接配管されているのが通常です。しかし、途中で土地を分筆してライフラインの配管をしている場合は要注意です。

 

なぜなら、水道配管、もしくは排水管が劣化してしまい、敷設し直す必要がある場合、隣地の敷地内にある配管もまた掘削して配管し直さなければならないからです。土ならまだしもコンクリートだった場合、隣地が許可しないこともあります。

 

ライフラインの越境は、その後宅内に直接配管できるかどうかを確認するようにしましょう。

点検・メンテナンスにお金がかかるエレベーターは要注意

●エレベーターを定期リニューアルする必要がある物件

 

6階以上、高さ31m以上の物件については必ずエレベーターを設置しなければなりません。エレベーターは初期投資が大きいため、高層マンションを取得する際にはエレベーターの維持管理費用が必須となります。

 

エレベーターの柱に「年度~定期点検実施済み」とステッカーが貼ってあれば、それはきちんと点検されている証拠です。裏を返せば、このステッカーがないエレベーターは、購入後すぐに多額のリニューアル費用がかかるということですので、注意が必要です。

 

2006年、シンドラー社の事故が発生してから定期点検の方法が見直されました。1年に1度は一級建築士などの有資格者による法定点検が必要とされ、また月に1度は定期点検として制御盤、機械室、電動機の給油・確認、ブレーキ調整などをしなければなりません。

 

月に1回の定期保守点検では、

 

★POG(パーツ、オイル、グリス)

★フルメンテナンス

 

の二つの点検方法があります。文字通りフルメンテナンスは基盤、ロープ、ボタンなどの劣化の際、追加費用がかからないという利点がありますが、コストがかかります。メーカー、サイズにもよりますが、相場は以下の通りです。

 

★POG 1万5000円~3万5000円/月

★フルメンテナンス 3万円~7万円/月

 

白物家電メーカーの関連会社であるエレベーター会社は点検費用が高く、エレベーター専業会社は比較的低コストでの対応が可能です。

 

また、エレベーターにも耐用年数があり、多くは20年~25年の間にリニューアルが必要です。方法としては、

 

★全部撤去、新設リニューアル 800万円~1500万円

★準撤去リニューアル 500万円~800万円

★制御、部分リニューアル200万円~500万円

 

と幅がありますが、新設でなければ徐々に扉、電動機など部分修理の回数は増えます。工期は長いものの、新設が一番コスト減となります。

 

そしてエレベーターには「2012年問題」があります。部品生産を終了しており、大幅にリニューアル費用がかかる可能性があるのです。

 

いずれにしてもエレベーターは非常に高額ですので、コストがかかることを頭にいれておきましょう。

不動産投資で成功するには「他人任せ」ではだめ

これまで、不動産投資の仕組みや特徴についてみてきましたが、その中で一貫してお話ししているのは、「投資という側面がある以上、出口を見据えて戦略を立てなければ失敗する」ということです。

 

医療が発達している上、少子高齢化が進む日本の平均年齢は先進国の中でも最も高く、アメリカより高い46.1歳です。特段の工夫をせず、今までと同じやり方、同じエリアで若年層、学生のみをターゲットとする賃貸経営は、徐々に入居率が下がっていくでしょう。一方、留学生を積極誘致する大学などを賃貸需要とする物件は需要が見込めるでしょう。また、積極的に高齢者を受け入れる体制をつくっているアパートは、今後も需要が増加していくことでしょう。

 

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自分の物件が今後も継続的に賃貸需要が見込めるのかどうか、10年後のことは誰にもわかりません。リスクをとらないということは、今物件を保有している人は物件を売り、投資をやめ、利益を確定させることです。そもそも不動産投資をしていない人はこれからも不動産投資をしないということになります。

 

ここまで読んでいただいたらわかるかと思いますが、不動産投資は、豊富な知識や情報によって適切な選択をしていかなければなりませんので、決して、何もしなくとも利益があがる不労所得ではないのです。不動産投資を確実に成功させるには、家賃収入を最大化させるため、仲介会社、賃貸会社、管理会社、リフォーム会社、税理士などさまざまな業種の人に依頼し、コストをコントロールし、その利ざやで収益を上げなければなりません。そのため、「他人任せ」ではなく多くの情報を取り入れ、自分の頭で考え、組み立てをすることが重要です。

 

「理屈としては理解できても、自分で出口戦略を組み立てるのは無理だ、できたとしても時間がなく不安だ」という人のために、当社では物件の紹介よりもむしろ収益不動産の運用と出口を理解してもらうことを大切にコンサルティングしています。投資家の方が購入した不動産で利益が上がることは非常にうれしいもので、それがこの仕事の醍醐味だと感じています。

 

そこで次回は実際に、当社が物件を紹介した投資家の方の実例を紹介していきます。

ハウスリンクマネジメント株式会社 代表取締役 宅地建物取引士/液化石油ガス設備士/丙種ガス主任技術者

東京都八王子市出身。新卒で株式会社ミツウロコに入社。プロパンガスの営業、不動産リフォームに約10年携わり、仙台、埼玉で約500名の大家、約200社の不動産会社のサポートを行う。その後、武蔵コーポレーション株式会社に転職。約1000件の賃貸管理、4500件のリフォーム提案を行い、賃貸管理、収益不動産のノウハウを学ぶ。平成26年、ハウスリンクマネジメント株式会社設立、現在に至る。

著者紹介

連載リスク最小化を目指す「不動産投資」の基本レッスン

不動産投資は「土地値物件」で はじめなさい

不動産投資は「土地値物件」で はじめなさい

菅谷 太一

幻冬舎メディアコンサルティング

「区分マンションは初期投資が少ない=ローリスク」 「都心の新築物件は空室率が低い=ローリスク」 そう思い込んでいませんか? 不動産投資成功の必須条件はきちんとした投資目線を持つことです。 本書では“儲かる”物件…

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