頭スッキリ、環境も静か、限られた時間で集中力UP!
普段、忙しく仕事をしている僕たちが、英語の勉強時間を捻出するためには、「朝の活用」がお薦めです。朝の勉強が効果的な理由としては、次の3つがあります。
(1)脳が活性化しているのは朝
たいていの人は、仕事が終わった夜に落ち着いて時間を取ろうとしますが、人の脳は、寝ている間に前日得た情報を整理するといわれています。つまり、朝の脳は、整理整頓を済ませて、非常にすっきりした状態にあります。海馬にある程度の「空き」ができていて、学んだことが頭に入っていきやすいんです。
パソコンの動きが遅くなったとき、要らないファイルを削除して空き容量を増やすと、動作環境が快適になることがあります。あれと同じようなことです。特に朝食前がいいのです。前の日の夕食以降は何も食べていないので、身体が少し飢餓状態になっています。お腹が満たされているときより、飢餓状態のときのほうが集中できるんです。
(2)朝のほうが静か
朝は周りがとても静かです。夜であれば居間ではテレビがついていたり、家族に話しかけられたりして、自分だけの時間は取りにくいものです。
でも、早朝であれば家族もまだ寝ています。窓から外を眺めても、ご近所のおしゃべりや子どもたちが遊ぶ声が聞こえることもないでしょう。家の中も外も、1日の中では朝が圧倒的に静かです。そのため、思いっきり勉強だけに集中しやすいんです。
(3)締め切り効果で集中できる
人間は切羽詰まったほうが、集中していいパフォーマンスを発揮するもの。締め切り前に怒濤の勢いで原稿を書く作家だけでなく、どんな職業の人でも、締め切りや納期直前には必死で働きます。
朝の勉強もこれと同じです。朝は夜と違って、定時には出勤しないといけないという時間の制約がありますが、これが効くんです。いつまでも時間があると思うと、ついダラダラとしがちですが、時間に限りがあると思うと集中して取り組めます。
毎日3時間勉強するという目標を立てた場合、朝に1時間でも済ませておけば、出勤前にノルマの3分の1は消化したことになり、昼以降がだいぶラクになるはずです。
ぜひ、明日からでも朝型人間に変身してみましょう!
有意義な朝時間の創出は「夜の過ごし方」がカギ
「早朝の勉強を始めるぞ!」と張り切って決めたとしても、前日に夜更かししていては、爽やかな寝覚めは期待できません。睡眠不足のまま、目覚まし時計で無理やり起きてみたはいいものの、頭が冴えていなければ勉強がはかどりません。
僕も最初は失敗の連続でした。朝6時半からSkypeのオンラインレッスンを予約しても、前の晩にお酒を飲みすぎて寝不足になり、レッスンに全然集中できないどころか、レッスン自体を受けられなかったりすることさえありました。
十分な睡眠が取れず、疲れの抜けない身体で起きて、義務感だけで勉強しようとしても、まったく身につきません。頭が冴えていないせいで、なぜか先生の態度にイライラしてしまって、思わず先生に八つ当たり。「もういいよ!」とネットをブチッと切ってしまったことさえもありました。
朝の「起き方」で1日が決まります。そして、その「起き方」を決めるのは前夜の「寝る時間」です。
早起きするには早寝するしかありません。よく考えれば当たり前のことなのに、意外とここが盲点です。「これから毎朝、◯時に起きるぞ!」と決める人は多くても、「毎晩◯時に寝よう!」とは思いつかないのです。
でも、しばらく冴えない朝を過ごし、そのことに気づいてからは、夜は早く寝て、次の朝に備えるようになりました。すると、朝の景色がガラリと変わってきました。ぐっすり睡眠を取った後の早起きは気持ちよく、やる気がみなぎっています。こうして早起きの習慣を身につけられるようになりました。
「朝時間の効率は夜の3倍」ですから、夜なら3時間がんばらないといけないところが、朝なら1時間で済んでしまいます。これだけで、1日の時間が2時間増えたことになりますよね。
早寝早起きは健康にもいいのです。たっぷりと睡眠を取り、規則正しい生活を送れるようになります。勉強もはかどり身体も丈夫になる、まさにいいことづくめです。
いつもの夜を「捨てる」
早寝をするには、これまでの夜の過ごし方を少々見直す必要があります。ポイントは潔く「捨てる」ことです。というわけで、僕が習慣にしている「夜の捨て方」を3つご紹介します。
(1)就寝時刻を正確にキッチリと決める
朝、決まった時間に起きるためには、前述したように就寝時刻も決めてしまうのがいいでしょう。僕の経験では「だいたい◯時ごろまで」ではなく、「きっかり◯時まで」と決めたほうが習慣にしやすいです。
僕は毎晩「きっかり11時までにはベッドに入る」と決めました。11時に寝れば、7時間ぐっすり寝ても6時に起床できます! 夜は誘惑も多いので、「さっさと寝る」と決めないと、ついダラダラしてしまいがちです。あっという間に深夜0時を回っているものです。
夜は長いと思いがちですが、ひとたび就寝時刻を決めると、実際にはそうでもないことが分かります。だからこそ、短時間でやるべきことを済ます工夫が必要になります。朝の「締め切り効果」は工夫次第で夜にも応用できるんです。
(2)夕飯後はパソコンを開かない
夜にパソコンを開くと、たいして大事でもないネット記事や動画、Facebookを見てしまい、あっという間に時間を浪費してしまいます。人によっては、自宅でも仕事ができる環境かもしれません。メールをチェックしだしたら、つい仕事モードになってしまいます。
そこで、夜はパソコンを開かないと決めました。特に夕飯後は決して触りません。そう決めておかないと、つい遅くまで何かしらパソコン作業をしてしまい、寝るのが遅くなってしまいます。
やり残したことがあるなら、翌朝に忘れずできるようにメモでも残しておくといいでしょう。スッキリした頭で作業したほうが、効率よく短時間で済みます。
(3)お酒を飲まない
僕は自宅にいるときは一切飲みません。ぐっすり眠るにはお酒が効果的と思う人もいるようですが、実は体内にアルコールが残っていると、逆に眠りが浅くなるそうです。睡眠の質が悪くなり、十分な睡眠時間を取っても疲れが取れなかったりします。翌朝、爽やかに目覚めるために、僕は夜のお酒は捨てました。
このように、朝の時間は夜の過ごし方で決まります。「夜を捨てる」勇気を持つことが大切です。捨てた分だけ英語力を手に入れることができます。何かを得るには何かを捨てないといけないのです。
さて、ここまでは「捨てる」ことだけをお伝えしてきましたが、逆にプラスするといいこともあります。
寝る前に、その日に勉強をした内容をチラッと見返すのは効果的です。少しでも見直すことで、いい復習になります。その後、余分な情報を入れずに眠りにつけば、睡眠中も脳は活動していますから、記憶が定着しやすくなります。これぞまさに「睡眠学習」です! 夜はチラッとだけ復習して、さっと寝てしまいましょう。