廃除事由がある場合には相続排除を行う遺言書を作成
生前に子供へ十分な財産を与えていたような場合には、「これ以上、遺産を与えないでもよいだろう」と考えることがあるでしょう。その場合には、相続分をゼロにする遺言書を残すことを検討してみてください。
【例文】
第1条
第○条 次男持斗榑夫に対しては、現在居住する住宅(東京都○○○○)を取得する際、購入代金の内、2000万円を贈与したので、相続分はないものとする。
平成○○年○○月○○日
住所 東京都千代田区豆丸御池二丁目2番2号
遺言者 持斗元気(印)
なお、前回述べた放蕩息子に財産を渡したくないような場合にも、このように、相続分をゼロにする遺言書を作成する選択肢が考えられます。
しかし、相続分をゼロにしても、遺留分をゼロにすることはできないので、遺留分を請求される可能性はあります。一方、相続廃除が家庭裁判所で認められた場合には、相続権だけでなく遺留分を請求する権利も失わせることができます。したがって、廃除事由がある場合には、相続廃除を行う旨の遺言書を作成するほうが適切といえるでしょう。
未成年の子供がいれば、遺言書で後見人を指定する手も
すでに配偶者がなく、死病などのために、不運にも未成年の子供を残したまま、遠からず世を去らざるを得ないような状況にある場合は、その子供のために後見人を指定しておくことが必要になるかもしれません。後見人の指定は、下記のように遺言書で行うことができます。
【文例】
1 遺言者の次女今葉可愛(平成8年8月8日生)の後見人として、次の者を指定する。
本籍 東京都港区白銀7丁目7番地
住所 東京都千代田区左京6丁目6番地2号 氏名 東山伶(昭和35年9月2日生)