交渉開始時、オープンにするべきこと、
伏せておくべきこと

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交渉開始時、オープンにするべきこと、 伏せておくべきこと

いよいよ交渉開始となったとき、初期段階では伏せておくのが常識となる情報もありますが、前もって伝えておくべき情報もあります。ここでは、売り手と買い手の双方のメリットを考慮した、基本的な情報管理についてご説明します。

初期段階では売り手の会社名は伏せる

交渉の初期段階では、売り手の会社名を非開示にします。まだ話がまとまるかわからないので、売り手の会社を特定されないようにするための配慮なのです。また、不動産物件などと同様、「売りたい」という情報が早い段階で広く出回ってしまうことは、「売り急いでいる」といった印象を与えがちで、決してプラスにはなりません。 
 
交渉にあたっては売買金額や時期だけでなく、売り手のオーナー社長自身の処遇についても希望を告げておく必要があります。 
 
きれにリタイアするならそれでよし、ただ譲渡後もしばらくの間は引き継ぎなどのために勤務を続けたいといったケースでは、その期間や給与などの条件を伝えておきます。 
 
そのような売り手の希望と、逆に買い手の希望条件も詳しく聞き、大筋で条件が合う場合には基本合意に至ります。 
 
簡単に述べましたが、実際には基本合意に至るまでに、数社の買い手と話をすることもあります。 
 
M&Aは、男女のお見合いと同じで、一度でまとまることもあれば、何人かの相手とお見合いをすることもあるわけです。

基本合意後は買収監査

基本合意ができれば、あとは買い手からの買収監査(デューデリジェンス)を受け入れ、そして最終契約という流れになります。 
 
買収監査では、相手の担当者の他、必要に応じて弁護士、会計士などが書類を確認したり、質問をしたりします。 
 
そして最終契約に至る際には、相手と事前に打ち合わせたタイミングで、取引先などの関係先にM&Aを実施する旨を公表し、説明します。 
 
従業員や取引先などがM&Aの事実を知るのは、ようやくこの段階というのがほとんどです。

 

 

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。 創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくこと…

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