後継者不足を背景に、起業や事業多角化を効率化させる戦略として、流行しつつある「スモールM&A」。しかし、売買事例の客観的データが少ないため、高リスクな判断を迫られることも多いようだ。そこで本記事では、スモールM&Aの専門家である筆者が、過去の失敗例から「買ってはいけない企業」について解説する。

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法規制の改正や、技術革新が近い将来に起こる業種…

ビジネスの世界では「失敗」を前向きに捉える向きもありますが、内容次第では致命傷となるケースも少なくありません。失敗の確率を減らすためには、過去の事例から学ぶことが大切です。失敗事例に多く触れると、一定の法則が見えてきます。筆者も投資家として、アドバイザーとして、多くの失敗を経験してきました。本記事では、スモールサイズのM&Aの現場で陥りやすい失敗事例をご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

 

スモールM&Aの場合、売買事例の客観的データが少ないため、高値で買ってしまうということがよくあります。売手やアドバイザーが饒舌で、押しが強い場合などは要注意です。競争が多いと煽られ、急かされて、冷静な判断能力を奪われてしまうこともあります。

 

なので、まずは自らの投資基準を持つことが大事です。また、業界通や、経験豊富なアドバイザーに相談することにより、高値買いのリスクを避けることができます。急がず、慌てず、冷静に対応することが基本です。

 

例えば、異業種参入型のM&Aでよく起こる失敗事例として、法規制の改正や、技術革新などによる、対象事業の価値低下があります。このような情報は、業界の専門家に聞くことで、ほとんどが事前にわかることです。「スモール」とはいえ事業投資は大きな投資ですから、念入りな調査が重要となります。

従業員が多い企業の「大量離職」には要注意

従業員数が多いM&A案件では、人が大量に辞めてしまうことがあります。「ダンバーの法則」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。友達や集落の数は150人が限界であるという人類学者の研究結果です。

 

会社経営に置き換えれば、組織体の構成人数には限界があるということです。私が、スモールM&Aを好きな理由はここにあります。組織体が小さい場合、投資実行後に一気に社内の空気を前向きに変えることや、個々のきめ細かいフォローが可能となります。

 

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しかし、従業員が数百名、数千人規模だと、そう簡単にはいきません。企業は人の集合体であり、人の心は簡単にコントロールできないということを理解することが大切です。

騙し案件は、デューデリだけでは見抜けない!?

M&A売り案件の売却理由として、「後継者不在」や「選択と集中」などもっともらしいキーワードが並びます。しかし、「売り逃げ」というスタンスで売却を狙う売手もいることも知っておくべきです。

 

実際に事業を引き継いだ後に、聞いていた話と違うということは多々あります。稀に、決算書上に記載のなかった借入や未払賃金等の「簿外債務」等が突如出てくるケースもあります。

 

教科書的な対策としては、経験豊富で優秀なアドバイザーに依頼し、しっかりとデューデリジェンス(資産査定)をする等でしょうが、それでも確実に回避できるとは限りません。究極的には、商取引と一緒で、トラブルがあった際に責任を持って対応できる取引先なのかを見極めることが大切です。

 

売手と買手に情報格差があるため、悪意があれば騙す事も可能です。悪意がなくても、何かを守るためだったり、様々なプレッシャーに負けてしまったりすると、情報を曲げてしまうのが人間の弱さというものです。

 

これはM&Aに限らず、投資の世界ではよくあることです。誰が持ってきた話なのか、何故こんな良い話が自分の所に来たのだろうか、何か違和感はないか等、基本に立ち戻り冷静に判断することが大事です。

失敗事例の研究は、成功への最短ルート

上記以外にも「実はシナジーがなかった」「既存役員が謀反を起こした」「重大なコンプラ違反があった」「少数株主と意見が衝突した」「交渉中に業績が悪化していた」「事業計画が壮大すぎた」……など、M&Aの失敗例は、枚挙にいとまがありません。

 

失敗して欲しくないために、ネガティブな話ばかりしてしまいましたが、小規模のM&Aは、売手・買手・従業員・取引先等の三方良し、四方良しのケースがほとんどですので、過剰な心配は不要です。

 

幸か不幸か、国内でのM&A件数増加と共に、失敗事例や訴訟データも増えてきました。その先人たちに敬意を表して、失敗事例を参考にしながら、傾向と対策を事前に練ることが成功への最短ルートに違いありません。

 

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