進行中のICOをチェックできる「Token Market」
前回の続きです。
●Token Market, Coinschedule
図表1を参照ください。
[図表1]カレンダー形式で進行中のICOをチェックすることができるサイト
これらのサイトはクラウドファンディングや投資、ブロックチェーン技術のスペシャリスト5人によって運営されており、過去のものから最新のものに至るまで、それぞれのICOについての情報が細かく掲載されています。
サイトの中には「ICO calendar」という項目があり、すでにICOが済んだ銘柄から、これからICOをするという銘柄まで数多く並んでいます。これを一つずつ開いてみると、「Symbol」という項目がありますが、これは「Omise GO」でいうところの「OMG」のような、上場した際につけた記号、ロゴのようなものです。「Token sale opening date」という項目は、トークンの販売を開始した日で、同じように「Token sale closing date」はトークンの販売を終了した日になります。
その下に「Concept」という項目がありますが、ここにはその会社がどういう事業をするかという概要が書いてあります。そして、その下の「Team」のところには、社長は誰でどういう経歴なのかといった人的情報が書いてあります。掲載されているICO件数は多く、人気なICOは区別して紹介されているので、ここに掲載されるとICOが近いと言えます。
『Coinschedule』も同じようなサイトになっています。
将来性やリスクを独自スコアで評価する「ICO Rating」
●ICO Rating
図表2を参照ください。
[図表2]ICOの将来性やリスクを独自のスコアで評価しているサイト
『ICO Rating』は、いわゆるICO格付けサイトです。このサイトでは、投資業界で豊富な経験を持つ有力な専門家たちを集めて分析チームを結成し、これからICOをしようという銘柄を細かく調べてレポートを出したり、格付けをしたりしています。
このサイトでの「Hype-Score」は、スコアが高いほど、プロジェクトに関心を持つ人が増え、投資をする人が増える可能性が高まります。「Risk-Score」は、投資が失敗するリスクがどれくらいあるかを示しています。ICOでは詐欺まがいの案件が多数ありますが、スコアが低いほどそういった案件であるリスクは低いことを表しているので、投資家からの信頼も厚くなります。
「RATING」は、プロジェクトを深く分析した結果、短期的または長期的に投資をしても大丈夫かという評価を独自の格付けで示しています。他にはICOの開始日と終了日も記されています。
●ICO STATS
図表3を参照ください。
[図表3]ICO銘柄がリスト化されており、ICO開始から現在に至るまでの価格変更を比較することが出来るサイト
ICOが始まってからこれまでにトークンの価格がどのくらい上がったのか、あるいは下がったのかという収益率をまとめたサイトです。見てみると、第1位がNXTという会社ですが、ICOが始まった日は2013年9月28日です。現在(2018年3月1日)までに米ドルベースでの時価総額は1265555%の上昇、つまり約12655倍になったということになります。米ドル以外に、イーサリアムやビットコイン換算でどのくらい上昇したのかも確認できます。
NXTの場合、イーサリアムベースでは336%、ビットコインベースでは17072%の上昇となっています。第2位のIOTAのICOが始まった日は2015年11月25日ですが、現時点で米ドルベースで424084%の上昇、つまり約4240倍になっていることが分かります。最近のICOを果たした案件を見てみると、第5位のSpectrecoinという会社が2016年11月に始まって、1年強で時価総額は約1500倍になっています。
以上のようなサイトを使うことによって情報を得ることができます。しかし、ほとんどが英語で記載されていて日本語のサイトはわずかです。英語が理解できればある程度自分で分析できますが、そうでなければデューデリジェンスができる専門家に任せる方が確実でしょう。
また、自分でホワイトペーパーなどの英語の文献を調べる場合、Googleの翻訳機能が便利です。やり方としては、Googleでそのページを開いて、翻訳したいページで右クリックして「日本語に翻訳」を選択するか、URLの欄の右端にある翻訳マークのボタンをクリックすると翻訳されます。