医学部受験・・・「勉強の結果」を目標に設定してはならない理由

前回は、長時間学習を可能にする「気分転換」の大切さについて説明しました。今回は、テストの点数等の「勉強の結果」を目標に設定してはならない理由を見ていきます。

注目すべきは「コントロールできる部分=行動」だけ

「テストで満点を取る」「この範囲の単語を明日までに覚える」という勉強の「結果」を目標にすることがあります。でも、この方法はあまりお勧めできません。

 

なぜなら、結果というものはそもそも自分の力で100%コントロールできるものではないからです。精一杯がんばったけれど満点が取れないこともあるし、時間をかけて取り組んだけれどすべては覚えられなかったということもあるでしょう。

 

「結果がすべて」なんていうと、ハードボイルド風で格好よく感じるかもしれませんが、結果を決めるのは「行動」+「運や状況」です。運や状況はコントロールできないのですから、私たちが注目すべきは、コントロールできる部分、つまり「行動」だけなのです。

 

例えば、「単語テストで満点を取る」というのは結果。それに対して行動は、「前日までに単語帳の該当範囲に10回目を通し、英単語を見たらすぐに日本語訳を口に出す」といったものです。単語テストで満点を取ること自体は結果ですから、頑張ったけれど失敗したということもあり得ます。でも、そのための準備、やったかやらなかったかというのは行動ですから、完全にコントロールできるはずです。

 

そして、行動が正しい手順で行われていれば、高い確率で望む結果が得られるはずです。入試をパスするというゴールがあるなら、するべきことを、実際の具体的な行動に分割して、丁寧にそれを遂行していくことです。

 

「合格が目標で、そのために頑張る」というような漠然としたことを考えていると、具体的に何をしていいのか分からなくなってしまいますし、模試の一時的な数字や、小さなテストの得点に気持ちが左右されてしまうことでしょう。

 

大切なのは、正しい行動を取ること。行動にフォーカスして計画や目標を立てるべきなのです。ここでも、シンプルに考えることが大切です。私たちは、自分にコントロールできることにだけ目を向けるべきです。結果を重視するのは、運や状況まで含めた自分ではどうにもならないものを目標にしていることになります。

「テストを受けた」という行動を評価してみたら…

私たちは東京のほかに、京都で「烏丸(からすま)学び舎」という予備校を運営しています。その予備校で中学生を対象に、夏休みに計算テストのキャンペーンを実施したことがありました。計算の小テストを毎日1回受験してもらうというものです。

 

ふつう、そういったテストでは得点が評価の対象になるかと思います。しかし、前回も言ったように、テストの得点は結果であり、自分で完全にコントロールできるものではありません。では、この場合、何を評価の対象にしたか。

 

それは、「計算テストを受験した」という行動そのものでした。テストの得点であれば、頑張ったけれどできなかったということがあるかもしれません。一方で、受験したか、しなかったかというのは、行動ですから自分の意志で完全にコントロールすることが可能です。

 

行動が評価されるということをより分かりやすくするために、計算テストを受験したらチケットを渡し、チケットが集まれば賞品と交換できるという仕組みも作りました。

 

その仕組みを導入した結果、物珍しさも手伝って、中学生たちは毎日1枚のテストを積極的に受験するようになりました。受験しさえすれば、仮に0点でも評価されるのですから、計算が苦手な生徒でもあまり負担になりません。

 

計算をすばやく正確にこなすためには、正しい計算の方法を知っているという「知識」を身に付けたうえで、日々トレーニングを重ねることが必要です。計算のために必要になる「知識」は高い能力が必要なものではありません。少し学べば誰にでも身に付けることができます。だから、計算は結局、日々のトレーニングさえすれば、すばやく正確になっていくという種類のものです。

 

「計算力を上げたい」という「結果」を目指すのであれば、ターゲットにすべき「行動」は、日々トレーニングをするということ。だから、評価すべきは計算テストの得点ではなく、受験するという具体的な行動になるのです。

 

夏休みが終わり、学校では実力テストが行われましたが、毎日計算テストを受けていた中学生たちの数学の成績は大きく伸び、クラス1位、学年1位が続出しました。ある男子はとにかく計算が苦手で数学を避けているような状態でしたが、その夏休みには誰よりも多く計算テストを受け、予備校内のチケットレースで1位になることができました。これまでテストの得点のような、「結果」だけを評価する仕組みでは褒められることの少なかった彼も、大きな賞品や賞状を手にして、自信をつけることもできました。

 

もちろん、学校のテストでも、ほかの生徒たちと同じように数学の成績が大きく伸び、この子は勉強が苦手だ、と思っていたご両親もとても喜ばれていました。

 

人間は「結果」を直接コントロールすることができません。できるのは、「行動」を変えることだけ。考えてみれば、当たり前のことです。望ましい行動を増やしていけば、結果が伴ってくる可能性はその分高まります。自分で100%コントロールできることに注目することが成功のカギです。

学習塾講師、教室長などを経て、2010年2月に恵学社を設立。難関医学部向け少人数教育予備校の「烏丸学び舎」「学び舎東京」「学び舎東京PLUS」、科学的な学習法を掲載するWebメディア「Study Hacker」英語のパーソナルジム「ENGLISH COMPANY」を次々と立ち上げ、業績を急激に伸ばしている。

著者紹介

連載医学部合格の実現を目指す・・・「勉強の習慣化」で着実に学力を伸ばす方法

 

逆転合格を実現する 医学部受験×パーソナルトレーナー

逆転合格を実現する 医学部受験×パーソナルトレーナー

岡 健作

幻冬舎メディアコンサルティング

「なにがなんでも受かりたい」親子必読! パーソナルトレーナーとともに目指す、医学部「逆転合格」! スポーツ選手だけではない、受験にもパーソナルトレーナーが必要――。 いくつもの予備校を開講し、医学部合格者を多数…

 

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