内装リフォームだけでは、魅力的にならない物件もある
私はこれまで、主に中古のRC物件を買ってきました。なかには相当ボロボロなものもありました。そういう物件はだいたいが3点ユニットですし、洗面台も流行のものではありません。
「内装を最新の設備にリフォームして、入居者を獲得しましょう」
そんなことが書かれた本をよく目にしますが、私自身はあまり賛成しません。その理由は、明らかにコストパフォーマンスが悪いからです。例えば、3点ユニットをセパレーツにして、シャンプードレッサーを設置した場合、1室5万円程度の家賃なら、軽く1年分の家賃を超える費用が発生します。それを全室実施するとなれば、結構なお金が手元から離れていくことになります。
もちろん、考え方は人それぞれですが、築年数も相当に古く、内装だけでは必ずしも入居者を惹きつけられないような物件に対して、過剰な投資は明らかに効率を欠いています。経営者としての私はそのような投資を自分に決して許しません。
それでは、設備にはコストをかけずとも満室経営を実現する、そのためにはどのような方法が考えられるのでしょうか? 私は2つの条件を設定することで、それが可能になると考えます。
一つは「ペット可」、そしてもう一つは「外国人可」です。私は実際にこれらの条件を設定し、一番のボロ物件で満室を実現しました。
さまざまな事件の影響もあってか、あるいは、日本人の国民性によるものか、何とも言えませんが、外国人の入居を嫌う大家は意外と多く存在します。また、人々の権利意識が高まり、騒音に対するトラブルも頻繁に起こっているように、ペットの入居を嫌う大家もたくさんいます。そうした希望者の受け皿を用意すれば、満室経営はそれほど難しくはありません。
ペット可にする場合は「契約書の記載」が重要に
ただし、ペットの場合には注意が必要です。それは、どんな物件でも無条件にペット可とはしないことです。新築物件や、設備のリフォームにお金をかけた物件など、退去後に再び高額の修繕費が発生するような物件は絶対にやめたほうがよいと思います。
私自身は、リフォームに費用をかけたくない、でも家賃を下げないと入居が決まらない物件だけに限定しています。その際、どんなペットを飼うのかを最初に登録させることにし、登録した以外のペットを飼うことは不可としています。
また、ペットを飼えば当然に部屋が傷みます。一般の場合に比べれば圧倒的な差です。したがって、入居後にどちらが修繕費を負担するべきなのか、という問題をしっかりと考えておかなければなりません。私は「ペットによる損傷は借り主が負担する」などの文言を契約書に記載しておきます。そうすることで後々のトラブルを回避することができるからです。
外国人が入居することについては、私はまったく気にしません。なぜならば、外国人が日本で部屋を探すのがいかに難しいことであるのかをよく知っているからです。
商売の観点になりますが、家賃が少し高くても問題なく入居を決めてくれます。また、滞納してその部屋を出されることにでもなれば、次の部屋がすぐに見つからない現実が待っていますので、家賃も期日までにきちんと支払ってくれます。私の物件に関して言えば、今まで外国人の滞納は一度も発生していません。