若者にとって、もはやITは日常生活の延長線上ではない
今回は最後に、仮想通貨が変えていく世の中を知るために、「あるといいもの」を挙げることで、まとめとします。
あるといいもの①ITに対する肌感
仮想通貨はIT技術と切っても切り離せません。
ただ、これは理系の高度な技術・知識が必要というのとは違います。「ITの世界を自分の庭のように親しみのある世界として肯定的にとらえる」価値観や肌感が大事なのです。これがある人は仮想通貨と相性がいいはずです。
一方「現金主義(クレジットカードがなんか信用できない)」「政府やなんらかの組織といった後ろ盾がないと不安だ」という従来型の価値観の強い人は仮想通貨の価値なんてあるわけない、こんなものは遊びだという反応になりがちです。
あなたはいかがでしょうか。
これは世代という要素も大きく、若い人ほどITへの親しみは強いはずです。大人になる前からスマホになじみ、肌身離さずスマホを眺める世代にとってITは日常生活の延長線上にあるものではなく、日常生活そのものといえます。
ビットコイン創設者であるサトシ・ナカモトの理念は、従来型の中央集権的な社会システムでないヒトデ型の社会の創設です。特に考えが保守的な人、寄らば大樹の陰的考えの強い人は、仮想通貨の世界を考えるにあたり、従来の経験則が役に立たないどころか邪魔になると思うくらいでちょうどいいかもしれません。
「あなたの嫌いな国は?」はグローバルスタンダード⁉
あるといいもの②英語力
日本だけでも取引のできる仮想通貨は十分あるので、英語力はなくても構いませんが、あれば仮想通貨を選ぶ範囲が大きく広がるでしょう。
利用したい仮想通貨の取引所やウォレットがまだ日本語対応していないものも少なくありません。あるウォレットを登録しようと英語のホームページで登録作業をしていた方からこんな質問をもらったことがあります。
「登録時に「あなたの嫌いな国はどこか?」という質問と、世界の国一覧の選択肢が出てきてぎょっとした。こんなことを聞くなんて信じがたい、ニセの登録ページじゃないのか?」
この「あなたの嫌いな国はどこ?」という質問、私も英語のページで何回か見たことがあります。
日本においてはよく「母親の旧姓は/あなたの小学校の名前は/ペットの名前は?」などが聞かれる箇所です。パスワードなどを忘れた場合の「秘密の質問と答え」の部分ですね。
建前と本音を使い分ける文化のある日本人にしてみればぎょっとする質問ですが、世界的に見れば、民族的な確執はもっと当たり前のものとして存在しています。
世界中の人に、しかも、日本をはじめ英語圏でない人が見てもわかりやすい質問として「あなたの嫌いな国は?」と聞いているのです。たとえば「あなたの嫌いな食べ物は?」と世界中の人に聞くとしたら、選択肢がいくつあっても足りないですよね。
英語をある程度読めても、このようにグローバルスタンダードなものの考え方にぎょっとすることもあるかもしれません。
それも含め、英語のページにふれるというのは、世界の人々のものの見方や捉え方、そして、日本の当たり前は世界の当たり前ではない、ということを知るとてもいい機会だと思います。
世界にはさまざまな仮想通貨があります。仮想通貨について調べたり、取引をする際に英語力はあると大きく役に立つスキルです。単にウォレットや取引所の登録なら、出てくる単語に大差はありませんし、日常英会話をマスターするよりもずっと簡単です。
もちろん「お金のことは母国語で見ないと不安だから日本語じゃないと嫌だ」というのももっともな考えです。自分はどうしたいか、考えてみましょう。
あるといいもの③お金や、投資に対する知識、教養
あるといいもの④自分で物事を考えること
これらについては本連載(※書籍参照)で詳しく説明してきたとおりです。
これらを活用し、仮想通貨で変わりゆく社会を見つめ、新しい波を乗りこなしていきましょう。