今回は、「ブロックチェーン」が世界中の人々の注目を集める理由を探ります。※本連載では、ビットバンク株式会社・COOの三原弘之氏の監修による書籍、『マンガでわかる ビットコインと仮想通貨』(池田書店)より一部を抜粋し、仮想通貨を支える「ブロックチェーン」とはそもそも何なのかを詳しく説明します。

ブロックチェーンがつくりだす市場規模は67兆円!?

経産省の発表によると、ブロックチェーンが今後つくりだす市場規模は67兆円といわれています。注目されている理由の一つは、この新しい組織のかたちが、会社、社会、国といったさまざまな組織に大きな影響とインパクトを与えるだろうと考えられているためです。

 

会社を例にして考えると、会社には経営やマネジメント層といった管理者がいます。会社の中で業務が行われたり、その業務に対する評価が行われるのも、管理者と管理されている従業員という関係性が成り立っているからです。

 

しかし、ビットコインには管理者がいません。それでも、業務が行われ、評価され、適正な報酬が支払われます。

 

例えばマイナーは取引記録の確認などを行うわけですが、誰かの命令を受けて作業しているのではなく、マイニングの報酬を目当てとして自分の判断で動いています。このような構造で成り立つ組織のことを、DAO(Decentralized autonomous organization・自律分散型組織)といいます。

 

世界に「分散」している人たちの力だけで、ビットコインという「自律」した「組織」が成立しているわけです。例えるなら、「株式会社ビットコイン」という送金サービス会社が、自動で運営されているイメージです。

仮想通貨以外での応用も期待される「DAO」の仕組み

ビットコインでは管理者を入れずに送金サービスが自動で運用されることが証明されましたが、この仕組みは今後、仮想通貨以外でも応用されることが期待されています。特に相性のよい金融・保険や、登記など書類の証明が必要なケースにおいては自動化によるコストの低下の恩恵が受けられます。

 

また音楽やアート作品などデータ形式の創作物でも、著作権の証明が簡単になるため、作品の無断使用問題が解決できるかもしれません。こうした事例へ活用できる可能性を秘めたDAOという新しい組織の形が、実際に機能し、何千、何万もの人が参加しても安定的かつ安全に動くということを実証したことが、注目を集めている理由なのです。

●本書は仮想通貨・ブロックチェーンの情報提供を目的として書かれたものです。投資の最終判断は、ご自身で行っていただきますよう、お願いいたします。
●本書の掲載内容に関しては細心の注意を払っていますが、投資状況は様々です。本書提出内容に従って投資を行い、損失を出した場合も著者及び出版社はその責任を負いかねます。
●本書は特定の取引所、金融商品を勧めるものではありません。
●本書は特に明記しない限り、2017年11月27日の情報に基づいています。
●商品価格は日々変動しており、それに伴う情報にも変更がある場合があります。

マンガでわかる ビットコインと仮想通貨

マンガでわかる ビットコインと仮想通貨

三原 弘之

池田書店

価格の高騰で注目が集まるビットコインですが、金融業界に革命を起こす新たなしくみなだけに色々なリスクもあります。 本書では、これから私たちの生活を変えようとしているビットコインが何なのか? 儲かるのか? 危なくな…

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