ブロックチェーンがつくりだす市場規模は67兆円!?
経産省の発表によると、ブロックチェーンが今後つくりだす市場規模は67兆円といわれています。注目されている理由の一つは、この新しい組織のかたちが、会社、社会、国といったさまざまな組織に大きな影響とインパクトを与えるだろうと考えられているためです。
会社を例にして考えると、会社には経営やマネジメント層といった管理者がいます。会社の中で業務が行われたり、その業務に対する評価が行われるのも、管理者と管理されている従業員という関係性が成り立っているからです。
しかし、ビットコインには管理者がいません。それでも、業務が行われ、評価され、適正な報酬が支払われます。
例えばマイナーは取引記録の確認などを行うわけですが、誰かの命令を受けて作業しているのではなく、マイニングの報酬を目当てとして自分の判断で動いています。このような構造で成り立つ組織のことを、DAO(Decentralized autonomous organization・自律分散型組織)といいます。
世界に「分散」している人たちの力だけで、ビットコインという「自律」した「組織」が成立しているわけです。例えるなら、「株式会社ビットコイン」という送金サービス会社が、自動で運営されているイメージです。
仮想通貨以外での応用も期待される「DAO」の仕組み
ビットコインでは管理者を入れずに送金サービスが自動で運用されることが証明されましたが、この仕組みは今後、仮想通貨以外でも応用されることが期待されています。特に相性のよい金融・保険や、登記など書類の証明が必要なケースにおいては自動化によるコストの低下の恩恵が受けられます。
また音楽やアート作品などデータ形式の創作物でも、著作権の証明が簡単になるため、作品の無断使用問題が解決できるかもしれません。こうした事例へ活用できる可能性を秘めたDAOという新しい組織の形が、実際に機能し、何千、何万もの人が参加しても安定的かつ安全に動くということを実証したことが、注目を集めている理由なのです。