現在の世界情勢では、長期の展望はほぼ不可能
第2次世界大戦前夜と現在の時代の空気があまりにも類似しているので、不気味さえ感じます。
北朝鮮に対して石油禁輸などで追い込んだ後は、果たしてどうなるのか。断定はできませんが、ひとつ間違えば戦争につながる。アジアで大規模な戦争が起こる。すると朝鮮半島が戦場となり、日本はもちろん日米韓の関係からこの戦争に巻き込まれます。
こうした危機と隣り合わせの株式市場は、まさに波乱相場。いつ何が起きても不思議ではないのです。
そのため、今は長期投資には向きません。
長期の展望はほぼ不可能だからです。明日、朝鮮有事となれば、すべてのスケジュールはご破算。日経平均は大暴落するかもしれません。長期投資している人はファンドを解約して現金にしなくてはならない。
今はまさに短期決戦、局地戦の時です。そのため、本書「黄金株」シリーズでは、前書で掲げた「トランプバブル」からさらにバージョンアップして、
「世界のマネーバブルの波にどう乗るか」
「世界マネーバブルの波乱相場をどう乗り越えるか」
が大きなテーマとなるのです。
一触即発の時代とマネーバブル。一見して相関性は何もないように思われるかもしれませんが、以降でその理由について解説していきましょう。
マネーバブル、資産インフレが起こる可能性も!?
世界経済は今、確実にマネーバブルへ向かっています。
ひと言でいうなら、世界は「資産インフレに向かっている」のです。
というのも、世界中で資産がどんどん値上がりをしています。さらに資産は選別され、日本の株式市場でも値上がりするものと値上がりしないものとが、はっきり分かれてきています。
前回の日本のバブルは、高度成長時代の最後に到来しました。
1989年末が日本の株価の天井となり、3万8915円という歴史的な高値を記録。この時のバブルはいわば「列島バブル」です。日本列島全体の地価が高騰。北海道の僻地から南九州の過疎村まで、すべての不動産が値上がりしたのです。神奈川県熱海市の崖っぷちに建てられたリゾートマンションまで値上がりしました。大不動産バブルという活況を呈しました。
当時は、不動産を担保にいくらでもお金を借りることのできた時代でした。
そのお金が株式市場に流れて、不動産バブルを誘発し、株式バブルとなって市場は加熱。そして絵画バブル、ゴルフ会員権バブルといった、他のものに波及してすべてのものがバブル化。最後はバブル崩壊、すべてが大崩落となって終焉を迎えました。
ところが今回のマネーバブルは日本だけではなく、世界全体に吹き荒れようとしています。いまだかつてなかった、想像を絶するマネーバブル、資産インフレが起ころうとしています。
今回は米国が主役です。日本が、脇役として世界のマネーバブルに巻き込まれようとしている、そういう状況です