今回は、なぜ大人は子どもの「失敗する権利」を尊重するべきなのか、その理由を考えていきます。※本連載は、子どもたちのやる気を引き出し、考える力をはぐくむ"しつもんメンタルトレーニング"を考案したスポーツメンタルコーチの藤代圭一氏が、子どもの力を伸ばす声がけ・接し方などについて紹介していきます。

大人は「失敗」にとても敏感だが・・・

スポーツや人生では失敗や成功を振り返り、気づき、学びを次に活かしていくことで、さらなる成長を期待できます。

 

けれど、僕たち大人は「失敗」にはとても敏感で、できるだけ子どもたち選手の失敗を事前に取り除きたいという気持ちが自然と働きます。

 

それと同時に、頭ではわかっているものの、いざ失敗を見つけると大きな声を出して怒ってしまい、のちに自己嫌悪に陥ってしまいます。

 

まずは

 

「失敗することがある」ということを理解すること。

 

野球やテニスといった競技は、自分の身体と同時に、バットやラケットを上手に使いこなす技術が求められますし、サッカーは脳からもっとも遠い足を使うので、失敗が起きることが当然ともいえます。

 

人生の中で、

 

何度も何度も繰り返し、

 

わたしは失敗した。

 

それが、わたしが成功した理由だ。

 

 ――マイケル・ジョーダン

失敗から得られることもたくさんある

自分自身のことも振り返ってみましょう。

 

「失敗したことで学んだことは何があっただろう?」

 

そう自分自身に問いかけることで、過去の経験の中に「失敗したからこそ得られたもの」が光り輝いていることに気づきます。

 

僕ら大人が子どもたちに多くを伝えすぎることで、失敗することによって得られる学びを奪ってしまうかもしれません。

 

この失敗からの学びは何だろう?

 

この失敗をどう乗り越えよう?

 

失敗を活かして、どんな準備をしよう?

 

失敗をすることはときに心と体を大きく傷つけてしまうこともあります。

 

ですので、「それを避けたい」という思いは自然な感情ともいえます。

 

けれど、それと同時に、得られることもたくさんあります。

 

もちろん、失敗をそのままにしておいてはいけません。

 

だからこそ、失敗から学びを得るためのしつもんを活用し、子どもたちと経験を活かせる選手に近づきましょう。

 

 今回のポイント 

●失敗から学べることがたくさんある

●失敗をそのままにせず、振り返ろう

●失敗から学んだことを次に活かそう

 

 今回のしつもん  

●失敗したことで学んだことは何がありましたか?

●この失敗からの学びは何だろう?

●この失敗をどう乗り越えよう?

●失敗を活かして、どんな準備をしよう?

本連載は、メンタルトレーニング代表のメンタルコーチ、藤代圭一氏が運営するサイト、「しつもんメンタルトレーニング」に掲載されたコラムより転載・再編集したものです。サイトはこちら⇒http://shimt.jp/

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