前回は、なぜ不動産は「オークション」で売却すると高値になるのかを取り上げました。今回は、相続税対策に「不動産オークション」が有効な理由を見ていきます。

「高値で売りたい」が相続人共通の想いであるはず

前回触れたとおり、相続物件はきわめてオークションに向いています。同時に、相続準備もしくは相続が起きたとき、オークションを活用して相続税の準備をする・相続税を捻出する事例も増えています。

 

兄弟姉妹、甥姪、世代の違う複数の相続人が集まって、不動産をどのように売却するか相談している状況を想像してみてください。普段仲が良くとも、お金の話ですし、いざあらたまると、なかなか緊迫します。こうした状況で意外とトラブルになるのが、「自分の知り合いの不動産会社を連れてくるから、その人に売ってもらおう」という申し出があるケースです。

 

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本人は良かれと思って言っていることでも、他の相続人たちは「裏で何かあるんじゃないか」と勘繰ってしまいがちです。また、そもそも、その不動産会社が高く売ってくれる業者だとはかぎりません。そのため、不信や不満が生じるわけです。

 

こういうときこそオークションです。オークションを開き、その不動産会社にも入札に参加してもらえばよいのです。先代からの付き合いがあるから、たいして払えないけど買いたい・・・などといった申し出は論外ですし、実際に筆者が所属する会社では、特定の参加者を有利にするような対応はしません。しかし、購入を希望する不動産会社ならオークション参加のお声がけをします。もしその物件がほしければ、オークションに参加して、高値を付けて勝利してもらえればいいのです。

 

ただし、あくまで私の経験ですが、「自分の知り合いの不動産会社」(たいていは地元の業者さん)がオークションに参加しても、勝利するケースはほとんどありません。連れてきた相続人の方は、日ごろのお付き合いや地元のご縁で、その不動産会社に依頼しようとしたのでしょう。でも、最後には「オークションをしてよかった、他の業者さんに高く売るチャンスを逃さなくてよかった」と思える結果となった例がたくさんあります。

 

もともと相続人同士の仲が良くないケースも経験したことがありますが、仲が良くなくても、高く売ることについては皆の意見が一致するものです。オークションを機に、揉めずに売却する経験を共有されることは、拝見していて「良いものなのだろうなあ」と思うことがあります。

売却金額の違いは10%でも、手元に残る金額は倍違う!?

一般に、相続税のために土地を売るというのは、必ずしも心躍るものではありません。もとから自分たちが持っていた守るべき土地のような感覚もあるでしょうし、売ったお金は納税にあてるからです。

 

それでは、相続税9千万円を納税しなくてはいけないケースを事例に考えてみましょう。

 

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普通の売却手法なら1億円で売れる土地が、オークションだと1億1千万円で売れたとします。普通の売却手法だと、1億円で土地を売って、9千万円を納税するわけだから、手元には1千万円が残ります。しかしオークションだと2千万円が手元に残ります。

 

つまりこの場合、普通の売却手法とオークションとで、売却金額の違いは10%ですが、手元に残る金額は倍違うのです。これは相続のケースならではのオークションの嬉しさといってよいでしょう。

 

というわけで、不動産のオークションは、高く売るための一つの手法であり、特に相続の場合だと揉めにくいのです。

 

ではなぜオークションは、不動産業界で普及していないのでしょう。何か裏があるのでしょうか。あるとすれば、オークションをする側ではなく、しない側のほうです。次回は、その内実に迫っていきます。

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