不動産は「オークション」に向いている
もし、いらなくなった衣料品や家電を手放そうと思う場合、あなたならどうするでしょうか。捨てる? 売る? もし売るのであれば、オークションを選ぶでしょうか。実際のところ、数千円、数万円にしかならないであろう品なら、わざわざオークションをしなくても、自分で妥当だと思う金額を値付けして売ればいいと考える人は多いでしょう。また実際のところ、金額的にもさほど大きな開きにはなりません。
しかし、ものを高く売ろうと思うなら、一番高い金額を支払ってくれる人に商品を売る「オークション」が一番です。高価なものになればなるほど、その必然性は高まります。
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所有不動産を市場価値+αで売却出来る!「不動産オークション」の実態&活用方法
私は不動産をオークションで売る仕事をしていますが、不動産の場合、1億円の物件なら、1%高く売れるだけで100万円(=1億円×0.01)手取り額が変わります。
日本では、不動産オークションはまだ普及していませんが、これは非常にもったいないことです。なぜなら、売主さんは何百万・何千万円の利益を得るチャンスを見過ごしているようなものだからです。本連載では、高値売却をめざす不動産オークションの実態についてご紹介していきましょう。
まず不動産は美術品と同じで、世界にふたつと同じものはありません。ですから、物件の「相場」というものは、実はあるようで「ない」のです。不動産会社は「大体これぐらいだろう」と推測し、価格をつけますが、その推測が妥当だとはかぎりません。
仮に不動産会社があなたの土地を「この物件は約1億円です」と査定して、その値付けで誰かに売却できたとしましょう。でも、もし1億円をスタート価格としてオークションをしていれば、もっと高く売れたかもしれません。
不動産オークションでは、予想外の高値が付くのは珍しいことではありません。
真剣な参加者に競争してもらうことが必須
私が主に扱うのは、都市部や都市近郊の広い土地です。たとえば、それまで駐車場にしていた200坪の土地を地主さんが売るケースなどです。その場合、オークションを請け負った私は、その土地に関心がありそうな「プロ」に多く声をかけ、オークションの参加を検討してもらいます。
ここでいうプロとは、不動産の開発業者(ディベロッパー等)です。マンションを建てたり、分割して複数の住宅を建てたりして、その土地を活用したい事業者です。その土地を使って収益を上げようとしているわけですから、皆さん真剣に検討してくれます。
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所有不動産を市場価値+αで売却出来る!「不動産オークション」の実態&活用方法
オークションはオンライン上で行います。開催日の午前10時にスタートして、原則として17時に終了します。ただし、終盤の「競り上げ合戦」が止まらないときには、17時以降も続きます。18時くらいまで続くのはザラにあります。
私も開催当日はパソコン画面で、オークションの経過をチェックしています。参加者たちが白熱して、「1億円でスタートした物件が、1億2千万円まで上がった」といった様子を見ています。緊張もしますが、なかなか楽しくもあります。オンラインのオークションシステムは、参加者の皆さんに使いやすく、また公正な競争ができるように工夫された設計となっています。
売主さんは、オークションで土地を売るのは初めてですから、最初は「オークションで売れるのかなあ」と心配される方もいます。しかし、その心配は無用です。そもそも「そのスタート価格でなら買う」という事業者さんたちを集めてオークションを開いているので、オークションを開催する時点で、最低でもそのスタート価格では売れるわけです。スタート価格は入念な調査で決め、同時に、売主さんが同意しないとスタート価格はつけません。
最近増えているのは、急な相続が起こったケースや、相続税を納める準備のために不動産を売却するケースです。じつはこれらのケースは、非常にオークションに向いているのです。予期せぬ相続が起こってもあわてないよう、前もって不動産オークションの活用メリットを知っておけば、いずれ役に立つかもしれません。
次回は、その詳細についてお話しします。