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物件の資産価値を高める「大規模修繕工事」の手法とは?

前回は、マンション管理組合がコンサルタントを利用するメリットを取り上げました。今回は、物件の資産価値を高める「大規模修繕工事」の手法を見ていきます。

「欠点の改善」or「長所の強化」が修繕のポイント

大規模修繕工事の目的は、時間の経過とともに低下するマンションの物件価値を保全することです。そのために考えられる「手法」は、大きく分けて2つあります。

 

①欠点を改善する手法

 

②長所を伸ばす手法

 

実際のところ人間もマンションも似通っているのですが、どんなマンションにも長所と短所の両方があります。もちろん、さらにいろいろな要素が組み合わさり、それぞれのマンション独自の個性が形作られることになります。そして改良・改善にあたっては「欠点の改善」と「長所の強化」という2つの方向性をどのように組み合わせていくかを整理したうえで、工事によって何を目指すのかを明確にするべきです。

古さを活かすか? 新築のように見せるか?

大規模修繕工事によって資産価値を高める改良・改善を考える場合、マンションの資産価値を構成する物件価値と生活価値を同時に検証する必要がありました。その説明に際して、私などは次のような話で理事会の方々に理解していただく場合がほとんどです。

 

「古くなったマンションを新築のいま風のマンションのように改修する必要はありません。たとえば、女性の服装を例にすると、成熟した妙齢の女性がその良さを捨て、あえて若い方の服を着てもそれほど美しくは見えません。ファッションひとつを選ぶにも、やはり実際の年齢相応にその方の個性や長所を一番表現できるものが魅力につながります」

 

マンションの改良・改善にも、まったく同じことがいえるのです。

 

もちろん、理屈はわかっても若い女性が好きだという男性もいらっしゃいます。マンションに当てはめると、それは新築の物件に住み替えるという選択肢になるでしょう。しかし、人間の価値観は決してそれだけとは限りません。長年住み慣れたマンションは、住民にとってそれ自体が大きな魅力となっているのではないでしょうか。

 

[図表]改良・改善工事ビフォー&アフター

 

株式会社翔設計グループ 代表取締役
一級建築士 

1953年生まれ。東京電機大学建築学科を卒業後、大手設計事務所を経て1985年に独立。現在の会社の前身となる事務所を設立。2年後に株式会社とし、同社の代表取締役を務める。建築総合コンサルティング業を営む同社の改修コンサルタント事業部では、マンション修繕コンサルティングを管理組合に対して行っており、関東を中心に、これまで携わった修繕コンサルティング件数は650件以上。その知見を活かし、2016年9月設立の一般社団法人防災事業経済協議会にて主幹理事、2017年11月設立の一般社団法人マンション改修設計コンサルタント協会にて理事長を務める。

著者紹介

連載理事として押さえておきたい「大規模修繕工事」の基礎知識

本連載は、2017年12月18日刊行の書籍『改訂版 マンション管理組合理事になったら読む本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

改訂版 マンション管理組合理事になったら読む本

改訂版 マンション管理組合理事になったら読む本

貴船 美彦

幻冬舎メディアコンサルティング

大規模修繕工事のタイミングは? コンサルタントはどうやって選ぶ? マンション理事を楽しむための秘訣が盛りだくさん! 自分たちが住む場所だからこそ、自分たちでよくしていきたい――。マンション理事と聞いて、堅苦しい…

 

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