スイングトレードでも「テクニカル分析」の利用は有効
エントリーについては、日計りについてはテクニカル分析を使ってタイミングを計るということを説明しましたが、スイングトレードでもアプローチの一手段として、テクニカル分析を使うのは有効だと思います。
私の場合、日計りを行なう際は、移動平均線とMACDでタイミングを計っていたと前述しましたが、スイングトレードに関しては、それら以外にRSIやパラボリックを使ってタイミングを計っていた時期もあります。
テクニカル分析を使うことのメリットは、エントリーする際の根拠をシンプルかつシステマチックにすることが容易になることです。
実は一時期、一定の流動性がある銘柄を対象にプログラムを回し、自分なりのテクニカル分析の条件に合致した銘柄群を抽出し、できるだけ分散させてポジションを構成していくというアプローチをしてみたこともありました。そこで用いるテクニカル指標は、過去数年分のデータをベースにして徹底的にバックテストを行ない、自分なりにこれなら一定の水準の勝率を維持できると判断したものです。そして、条件に合致したものについては、排除すべき理由がない限り、それに従って銘柄分散を図りながらポジションをつくっていったのです。
このように、テクニカル分析を使う場合は、教科書に書かれていることを鵜呑みにせず、自分自身でバックテストするなどして、その有用性や欠点をしっかりたしかめることが大切です。それを行なうことで、シグナルへの信頼度が高まります。
また、銘柄分散をしっかりと行なうことも大切です。100%確実に当たるシグナルはありえません。どれだけ確率の高いシグナルでも、はずれることはあるのです。「確率の勝負をしているときは銘柄分散を徹底させる」ことが、何にもまして重要なのです。
エントリーする際のシナリオは、前日のうちに考える
また、ポジションをとる場合は、日足チャートはチェックし、前日のうちに売買したい銘柄について、ポジション・テイクする価格、ターゲット・プライス、ロスカット・ラインのシナリオを組み立てておきましょう。冷静に物事を考えられる前日の引け後に、それらの下地をしっかりつくれている人と、場中にマーケットが動いているなかでバタバタとしながらその作業を行なっている人とでは、判断の精度に大きな差が出てくるのは、日計りの場合と同じです。
もちろん場中に材料が出たり、突発的な動きが起きたりした場合、瞬間的な判断が求められることもありますが、エントリーする際のシナリオは、できるだけ前日のうちに考えておくことをおすすめします。
そして、そのシナリオに基づいて、翌日の寄付きからポジションをつくっていきます。私は基本的に、「ここがポジション・テイクすべき価格だと決めたところに、あらかじめ指値を入れる」という方法を多用していました。
というのも、板を見ながら場中に注文を入れると、つい必要のないところでポジションをとってしまい、バタバタと慌ただしい動きになってしまうからです。これでは、何のために前日、冷静に③の「判断する」ところまで事前準備をしたのか、わからない状態に陥るおそれがあります。
もちろん場中に材料が出たり、何か事前のシナリオとは異なる動き、テーマが出てきたりした場合は、臨機応変に対応することも必要になりますが、そういう事態に対応する余力を持つためにも、事前準備で決めておいた事柄については、寄付き段階の指値注文で済ませ、場中に行なう注文は、あくまでもイレギュラーな事態が発生した場合にとどめておくべきでしょう。
具体的にどのような方法でエントリーするかについては、以降の連載で解説します。