自身の家を所有する子が「小規模宅地等の特例」を受けるには?

今回は、自宅の家を所有する子が「小規模宅地等の特例」を受ける方法を見ていきます。※本連載は、社団法人・ソフトウェア開発・建設など、約100社の税務に携わる、公認会計士の笠原清明氏の著書、『税理士が教える 知って得する相続 揉めて損する相続』(PHP研究所)の中から一部を抜粋し、相続の“新しい常識と対策”をわかりやすく解説します。

相続開始前3年以内に居住してなければ、特例が適用に

将来、子どもが実家に戻って住みたいと思っている場合、マイホームを持っているからといって、特例の適用をあきらめる必要はありません。先ほどの④の要件をもう一度チェックしてみましょう。ポイントは次のとおりです。

 

●相続開始前3年以内に

●本人又は配偶者の所有する家屋に居住したことがないこと

 

この要件をよく読んでみると、相続開始前3年より前から、マイホームに居住していなければ、この特例を受けられると気づきます。つまり次のようなケースでは、特例を受けられるのです。

 

◆マイホームを売却し、賃貸住宅に居住する

◆マイホームを賃貸し、賃貸住宅に居住する

◆マイホームを賃貸し、親等の所有する住宅に居住する

マイホームを売却・賃貸するなら早めのスタートを

「せっかく買ったマイホームに住めないなんて・・・」と考える方もいると思いますが、居住用の小規模宅地等の評価減の特例は、減額率が80%という、大盤振る舞いの特例です。

 

たとえば、1億円の土地の評価額が2000万円に減額されるのですから、この特例を受けると受けないのでは、相続税の税負担に“大きな差”が生じます。

 

まずは、相続の財産・債務一覧表を作成し、現状での相続税額と、この特例を適用した場合の相続税額を試算してみましょう。そして、軽減される税金を知って、行動を考える、これが一番いいと思います。

 

もし実行されるなら、早めのスタートをおすすめします。相続開始前3年以内にマイホームに住んでいない、という期日の要件をクリアする必要があるからです。人の寿命はわからないものです。早めに実行し、親の長寿を願う、これが正しいスタンスだと思います。

税理士 

昭和32年、埼玉県さいたま市に生まれる。昭和54年、税理士試験に合格。昭和55年、中央大学商学部会計学科卒業後、公認会計士長隆事務所に入所。昭和59年、東京都新宿区で開業。
現在、社団法人・ソフトウェア開発・小売・建設・上場子会社など、約100社の税務に関わる。
著書には『フリーで仕事を始めたらまっさきに読む経理・税金・申告の本』『起業したらまっさきに読む経理の本』(以上、クロスメディア・パブリッシング)、『経理に使えるEXCEL事典』(明日香出版社)、『小さな会社の仕訳と記帳』(日本能率協会マネジメントセンター)、『ビジネス実務とPC活用』(日経BP社)、『図解本 小が大に勝つための会計学』(中央公論新社)、『営業日誌は書くな!』(角川学芸出版)などがある。

著者紹介

連載悩ましい実家の相続…事例で見るトラブル回避のポイント

税理士が教える 知って得する相続 揉めて損する相続

税理士が教える 知って得する相続 揉めて損する相続

笠原 清明

PHP研究所

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