前回は、開業準備における「外部ブレーン」の重要性について説明しました。今回は、銀行融資を受けるための「事業計画書」について作成のポイントなどを見ていきます。

融資の可否すら左右することもある「事業計画書」

開業準備の中で特に重要な作業の一つに、事業計画書の作成があります。事業計画書はできる限り念入りに、時間をかけて作成する必要があります。忙しいからといって片手間で作ってしまうと、内容がボロボロの状態で金融機関に提出することになります。

 

その場合、融資が出るまでに時間がかかったり、希望の融資額に満たなかったり、最悪の場合には融資そのものが受けられないことにもなりかねません。

 

作成そのものは、前回説明したように材料会社、税理士などの手を借りるのがベターですが、先生ご自身も次の点に注意しておいてください。事業計画書作成にあたっては、先生がどのような歯科医院をつくりたいか、診療収入は毎月いくらくらい上がるか、スタッフは何人採用するか・・・など、細かく計画をまとめておく必要があります。

開業資金の2割程度は自己資金を準備するのが理想

また、自己資金の額も重視されます。理想は、開業資金の2割程度を自己資金でまかなうことだといわれます。つまり、開業資金が全部で5000万円であれば、1000万円を自分で用意することになりますが、500万円でも、事業計画がしっかりしていれば融資はしてもらえます。あまりに自己資金が少なすぎると、希望の融資に黄色信号がともってしまいます。

 

また、収入計画を記載する際は、自身の診療理念にのっとって現実的な内容で作成することが大切です。たとえば、インプラントなど、自由診療に関する部分に強みを持っているわけでもないのに、自由診療の割合を高くした計画を立てても、あまり意味がありません。

 

説得力のある計画書を作るには、勤務医時代の診療実績を活かしつつ、診療圏調査に基づいた具体的な数値を提示するなどの工夫が必要になります(下記図表参照)。

 

[図表]事業計画書の主な構成内容

本連載は、2014年3月20日刊行の書籍『一生稼げる歯科医院開業読本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

一生稼げる歯科医院開業読本

一生稼げる歯科医院開業読本

松本 泰世

幻冬舎メディアコンサルティング

歯科医師とほかの診療科の医師との大きな違いは、近い将来いずれは独立開業を迫られることになるという点です。開業準備は早ければ早い方が有利になります。しかし、具体的に何から手を付ければよいのかが分からずに開業準備を…

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