エリートサラリーマン・須藤を通して「不動産投資」について学ぶ本連載。今回は、営業課長・九門が勧めた投資物件の「立地」と「家賃収入」について見ていきます。

「東京の新築マンションをお勧めしているんです」

前回の続きです。

 

さあ、どうしようか。オレはもう一点、気になっていることを尋ねた。

 

「お話はよく分かりました。でも、ローンの支払いを家賃収入でまかなうというのは、理想論ですよね。人に貸す場合、入居者が常にいるとは限らないでしょう。日本の人口が減少していて、空き家が増えているのは、新聞でも報道されている周知の事実です。入居者がいなくなったら、家賃収入もなくなるんじゃあ、ないですか?」

 

「そこにお気づきとは、さすが須藤さん!」

 

九門は、なんでも褒めてくる、根っからの営業マンだ。営業トークをいちいち真に受けるわけではないが、悪い気はしない。

 

「確かにそうなんです。日本の人口減少は問題になっています。でもね、データを詳しく見れば分かりますが、東京の人口だけは増え続けているんです。日本全体の人口は減っていますが、東京だけは増えている。つまり、東京への一極集中が起きています。だからこそ、私どもは東京の新築マンションをお勧めしているんです。

 

人が家賃を払ってまで住みたいと思うのは、どんな場所だと思いますか? それは、新しくてきれいで設備の整ったマンションです。私どもが造っているのは、人間工学に基づいて、人が長く住みたいと感じるようなマンションなんですね。だから、ほかの部屋でも、入居者が列を作ってキャンセル待ちをしているくらいですよ。入居に関してはなんの問題もありません!」

「オプションとして、家賃保証も用意してあります」

そして、オレが納得していないのを見て取ったのか、続けてこう言った。

 

「――といってもですね、不安になるお客様はいるでしょう。そこで、今回私どもは、お客様に安心していただくためにいくつかの保証をオプションで用意しました。まず一つ目は、マンション管理です。通常は、マンションを建築する会社、販売する会社、その後に入居者を見つけて管理する会社というのは別々なんですね。

 

しかし、それだと建築会社は入居者がつくかつかないかを考えずにただ建てるだけ、一方、販売会社はとにかく売れさえすればいいと考えるため、責任が分散してしまいます。そこで、わがゴールデンゴール商事では、建築から販売、管理までをすべて自社で行うことにしました。

 

それは、入居者が心地よいと感じる設計から、建築の品質、ローンの設定など、販売上の手当てのすべてに対して責任を持ち、そして、販売後もマンション管理を通じて永続的にお客様をサポートすることが理想の姿だと考えるからです。

 

そこで、その理想を実現するための二つ目のオプションとして、家賃保証も用意してあります。このオプションを付けていただいた場合は、若干、手数料をいただきますが、その代わり入居者がいない月でも、私どもが責任を持って家賃をお支払いします。この家賃保証がある限り、入居者がつくかつかないかの心配はなくなります!」

本連載は、2017年11月2日刊行の書籍『40歳独身のエリートサラリーマンが「不動産投資」のカモにされて大損した件』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

40歳独身のエリートサラリーマンが「不動産投資」のカモにされて大損した件

40歳独身のエリートサラリーマンが「不動産投資」のカモにされて大損した件

杉田 卓哉

幻冬舎メディアコンサルティング

大手上場企業に勤めるサラリーマン、須藤。40歳独身。将来への不安から、副収入を求めて「新築区分マンション投資」に手を出すが・・・。可愛い声の女性担当者がテレアポでおびき寄せ、イカつい営業マンが強引にクロージング!…

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