今回は、高所得者の「いつでも貯金できる」という考えがはらむ危険性を見ていきます。※本連載は、株式会社マイエフピーの代表取締役で、家計再生コンサルタント/ファイナンシャルプランナーとして活躍する横山光昭氏の著作、『50歳からの「お金の不安」がなくなる生き方』(大和書房)の中から一部を抜粋し、老後貧乏になる人の「お金の習慣」とは何かを紹介します。

将来ずっと「高収入」が保証されているわけではない

これは、お金に困っていないシングルや所得の高い人によく見られるタイプです。

 

シングルの人なら、「結婚はするかどうかわからないけど、一生付き合っていける友人はいるし、仕事は楽しいし、今の生活に満足しています。

 

今さら他人と暮らすのは無理で、この自由は手放せません。病気さえしなければ、老後だってなんとかなるでしょう」と楽観的に考えて、ほとんど貯金をしていなかったりします。家族がいる場合も同じ考えで、「使った分は稼げばいいし、その気になれば、いつだって貯金はできる」と将来を楽観視しています。

 

でも、考えてみてください。

 

今、高い収入があるからといって、この先もずっと収入が保証されているわけではありません。いまの時代、突然、職を失ってしまうことだって十分に考えられます。

 

ところが、そうしたリスクには目を向けようとしないのが、「楽観的すぎる人」の特徴です。

 

それに比べて、年収300万円前後の人はお金に対して強い危機感を持っています。お金に余裕がない分、無駄な使い方はしませんし、節約や貯金に対する関心も高い。お金について熱心に勉強されているのもこの層です。

 

その結果、年収が高い人ほどお金が貯まりにくく、年収の少ない人のほうがこつこつと貯蓄を増やしている傾向があるというのが実際です。

夫の収入が高い「年の差婚夫婦」の問題点とは?

また、最近増えているのが、「年の差婚」です。

 

たとえば、男性が50代で女性が30代の半ばで年の差が約20歳の場合などです。実はこうした「年の差婚」の家庭にも楽観的すぎるがゆえに貯金ができていない、ほぼゼロといった家計が見られます。

 

夫が自分より20歳年上の場合、同世代の男性に比べて収入が高く、結婚した途端、毎月まとまったお金が入ってくるようになります。すると、気が緩ゆるんでしまうのでしょう。財布のひもも緩みがちになり、貯金をしていないということがあります。

 

人生にはお金の貯め時が数回あります。子どもが手を離れる50代もそのひとつです。

 

ただし、年の差婚にはあてはまりません。年の差婚の家庭では、教育費の一番かかる時期が標準的な家庭よりも遅れてやってくるからです。

 

しかも、50代も後半になると役職は外され、年を追うごとに年収がダウンすることもあります。となると、子どもの教育費はかかるし、給料は減るしで、自分たちの老後資金を貯めるどころではなくなります。

 

また、年の差婚の場合には、どちらか一方が先に現役を引退(定年退職)することになります。すると収入が激減します。共働きでしたらまだよいですが、奥さんが専業主婦の場合はゼロになります。

 

そうなると、あてにできるのは年金だけです。これは非常に危険な状態です。奥さんがいま働きに出ていないようでしたら、旦那さんが定年退職される前から外へ働きに出て、ゆくゆくは働き手を交代することも考えておくべきでしょう。

 

そのほか、一般の人に比べて、老後にあたる期間が長くなることも念頭に置いておくべきです。

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