前回に引き続き、不動産投資の観点から見た「都会」と「田舎」の違いを考察します。今回は、客付け方法の違い等を見ていきましょう。※本連載は、不動産投資アドバイザーとしてコンサルやセミナーを行う多喜裕介氏の著書、『田舎大家流不動産投資術:たった3年で家賃年収4700万円を達成した私の成功法則』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、なぜ今、投資対象として「田舎不動産」がねらい目なのかを具体的に探っていきましょう。

田舎の客付けは「ポータルサイト」への情報量が重要に

前回の続きです。

 

(5)客付け方法の違い

 

公共交通機関か自家用車か「移動手段の違い」によって、客付け方法も変わってきます。「都会」では駅周辺に仲介店舗がたくさんあり、ガラス窓に多くの物件情報が張り出されていますが、「田舎」ではこのような光景はあまり見かけません。

 

お分かりだと思いますが、「田舎」では基本的に歩く機会が全然なく、移動はほぼ車のため、店舗情報による客付けはまったく効果がありません。

 

そのため「田舎」の客付けは、「スーモ」のようなポータルサイトからの問い合わせが9割以上を占めるため、ポータルサイトに掲載する情報量を多くし、いかに管理会社への問い合わせに繋げるかがカギになります。

 

しかし、管理会社の経営者が高齢でインターネットに疎い場合や、縄張り意識による安心感によって店頭業務だけの昔ながらの集客を行っている場合があります。このような店舗は集客力がない可能性が高いです。

なぜ田舎は「ノンバンク」を使う必要性がないのか?

(6)利用できる金融機関の違い

 

「田舎」の不動産投資において、融資依頼先としてメガバンクとノンバンクを使う機会はありません。また、使う必要性もありません。

 

「都会」では、億単位のRC物件を購入する際に、金利の低いメガバンクを利用する方がいるかと思います。しかし、「田舎」ではそもそも億単位の物件がまったくないので、メガバンクを利用する機会がありません。

 

もし、仮に億単位のRC物件が出たとしても、「田舎」にメガバンクの支店がない方が多いので、使いづらい金融機関となっています。また、遠方のメガバンクを訪ねても融資エリア外と言われてしまうことが多いです。そのため、RC物件でも地銀に持ち込んだ方が、融資可否にかかわらずスムーズに進みます。

 

では、なぜ「田舎」でノンバンクを使う必要性がないのでしょうか?

 

そもそも、「都会」でノンバンクを使う理由は、積算評価のない築古物件を購入するためですが、前述の「土地建物割合の違い」にもあるように、「田舎」の土地建物割合が少ないため、積算評価がないのです。

 

そのため、「田舎」の金融機関は積算評価を重視した融資を行おうとすると、融資先がなくなってしまうため、「都会」の金融機関と比較すると、収益還元評価のウエイトが大きい傾向があり、それによって融資を決定しています。

 

特に、「田舎」でも地銀と信金・信組を比較すると、信金・信組の方が収益還元評価のウエイトが大きいため、収益性が良ければ耐用年数を超過した築古物件であっても、フルローン・オーバーローンで融資してくれます。新築物件の案件を持ち込んだ場合は、耐用年数を超過した返済期間での融資も可能です。

 

また、ノンバンクほどではないですが、信金・信組は審査にかかる時間が短いため、ノンバンクの役割を果たしているのです。

 

この話は次回に続きます。

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    多喜 裕介

    合同フォレスト

    「レッドオーシャン」の都会より、「ブルーオーシャン」の田舎をねらえ! 不動産投資を始め、キャッシュフローを増やし、2年でサラリーマンを退職。知識はもちろん、数々の経験から、田舎で勝てる理論を構築した著者が、実例…

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