小型機から大型機まで、バランスの取れた配置が必要
どのような洗濯機をどれだけ置くか? 業務用洗濯機にも容量ごとに、10㎏クラスの小型機から20㎏を超える大型の27㎏、36㎏までさまざまあります。一番稼働率が高いのは15〜18㎏の中型機ですが、稼働率が高いからといって中型機だけを置いても、お客さんは納得しません。
中途半端な大きさの洗濯機しか置いていないコインランドリーとしてイメージされ、結果的に客足が遠のくのです。スーパーなどの品ぞろえと同じです。スーパーでは、需要の多いものの品ぞろえは厚くするにしても、高いものから安いものまでバランスよく陳列して、お客さんが自分に最適なものを選んだと納得してもらう努力を怠りません。
コインランドリーも、小型機から大型機まで、バランスの取れた配置が必要です。乾燥機についても同じことがいえます。乾燥機は中と大の2種類ですが、両方をそろえておく必要があります。
売上げの7割は「乾燥機」による収益!?
実はコインランドリーの売上げの7割は、乾燥機による収益です。
コインランドリーの乾燥機を使えば、天候に振り回されることもありません。さらに、業務用乾燥機ならではのフワリとした仕上がりは、一度使えば病みつきになります。雨の日など、家庭用洗濯機を2回も3回も回して、45ℓも入るような大きなポリ袋に洗濯物を詰め込んで2つも3つもクルマに押し込み、乾燥機だけを使いにやってくるお客さんも結構います。日によっては、このようなお客さんが溢れて、売上げの8〜9割が乾燥機によるものだったという例も多いのです。
だからといって、乾燥機に特化したコインランドリーを作ったとしたらどうでしょう? 確かに乾燥機だけなら給排水の工事も必要ないので、設備工事も安くできることでしょう。しかし、当然のことながら晴天の日に、わざわざ乾燥機だけを使いにくるでしょうか? 7割は乾燥機が生み出す収益だとしても、残りの3割の収益を放棄した段階で、ほとんどのお客さんを失ってしまいます。
やはり、容量ごとにバランスの取れた洗濯機を配置して、効率よく乾燥機を設置することが、集客の前提になります。
また、機械をバランスよく配置するための洗濯機の容量の選別や乾燥機の配置や台数などについても、その地域の客層を見極めて判断することが求められます。
便利な「洗濯乾燥機」が収益増に繋がるとは限らない
さらに洗濯と乾燥を1台でこなす優れモノの「一体型の洗濯乾燥機」があります。洗濯だけでも使えるし、乾燥機としてだけでも使えます。
洗濯機から乾燥機に移す手間ヒマもかかりませんから、洗濯機に放り込んで、ちょっとお買い物という主婦には便利な存在です。少々料金は高くても、買い物を終えて戻ってくれば、乾燥まで終わっているのです。
このように、お客さんにとっては便利な「一体型の洗濯乾燥機」ですが、それが必ずしも収益増に繋がるとは限りません。1台当たり270万円と高額な機械にもかかわらず、回転効率が良くないのです。洗濯から乾燥までの工程で使うお客さんだけでなく、洗濯のみでも、乾燥のみでも使えますが、わざわざ表示された説明書を読んで、個別の機能だけを使うお客さんはいません。洗濯のみならば洗濯機、乾燥だけならば乾燥機の方が分かりやすいのです。
高額な機械を売りつけたいと考えるようなフランチャイズの営業マンは一体型の機械を勧めますが、それこそ無駄な投資に終わってしまいます。洗濯機や乾燥機のラインナップとは別に、せいぜい2台も置いておけば十分です。