安定した政治は「経済」にも好影響
前回の続きです。
内閣の交代や選挙結果なども、日本国内の経済動向に影響を与えます。政治が安定していると経済も良くなりますが、政治が不安定になると経済にも悪影響を及ぼします。
日本でも過去に自民党→民主党→自民党と政権交代が繰り返されたことがありましたが、このようなビッグイベントがあるときは、その結果を市場がどう判断するかで、売りと買いの判断が異なります。
日銀の金融政策決定会合や、米国のFOMCにも注目
日本銀行の「金融政策決定会合」では公定歩合、準備預金制度の準備率、金融市場調整の方針などが話し合われます。日本銀行は中央銀行ですから「金利の引き上げや引き下げ」を行いますが、好景気なら金利を引き上げて景気の過熱を抑制し、不況なら金利を引き下げて景気を活発化させます。
現状では「利上げ」=円高で日経平均株価が下がり、「利下げ」=円安で日経平均株価が上がる傾向にありますが、必ずしもそうなるとは限りません。
また、米国の金融政策を決定する最高意思決定機関である「FOMC」が年8回(6週間ごと)発表する報道にも注意しましょう。米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)が開催するFOMCの政策方針は、為替レートや金利などに大きな影響を与えるので、日本にも少なからず影響があります。
とくにアベノミクス以降は日経平均株価と為替の相関関係が強くなっており、円安=株高、円高=株安になる傾向があります。単純に海外株式市場の上げ下げを気にするよりも、為替を重要視するようになっていますので、為替を動かすような重要指数の発表時間はしっかりチェックしておきましょう。
マメ知識 織り込み済みのときは逆に反応する!
ファンダメンタル分析は、ニュースに対して必ずしも市場が、法則通りの反応をするわけではないところが難しい。たとえば、中国の経済が減速中の今、GDPが7%と発表されても、それが予想通りの数値であれば、あまり市場は反応しない。このような状態を「織り込み済み」という。逆に、14%と発表されれば予想を覆すサプライズとなり、市場が大きく反応する。このようにファンダメンタル分析は、事前の予想からそのニュースに意外性があるかどうかで、市場の反応は大きく違うものになる。