ごみの分別など、施設の使用方法に関する案内書が必要
念のため、提出書類の中でも私が手間取った書類の補足説明をします。
①居室内に備え付ける施設の使用方法に関する案内書
こちらは一般的なホテルにもある設備などの利用案内書になります。利用案内は詳しく丁寧であればあるほど、宿泊者にとっては嬉しいものですが、特区民泊では次の書類の作成が最低限求められています。
●施設に備え付けられた設備の使用方法(テレビ、エアコン、電子レンジ、洗濯機、ガスコンロ、お湯の出し方など)
●ごみの分別方法
●騒音を発生させない等施設の周辺住民の生活環境の保全への配慮
●火災等の緊急事態が発生した場合の通報先(消防署、警察署、医療機関及び認定事業者等の電話番号)
●初期対応の方法(防火、防災設備の使用方法など)
●滞在者が消防署、警察署、認定事業者等に情報提供を求める際の連絡方法
また要件にはありませんが、施設の周辺マップやおすすめの飲食店、主な観光地へのアクセス方法をまとめた資料などもあると宿泊者には喜ばれますので、案内書と共にファイルなどにまとめて居室に設置しておくのが良いでしょう。
②賃貸契約及びこれに付随する契約に関わる約款
特区民泊の運営には宿泊者と締結する契約書のひな形の提出が求められています。この契約書の書式などは詳しく決まっていないので、イチから作成するとかなり手間がかかります。
そこでおすすめは「特区民泊」などの合法的な宿泊施設の仲介をしているサイト「STAYJAPAN」(https://stayjapan.com/)です。こちらでは「特区民泊」で認定を受ける施設の登録を推奨しており、契約書のひな形をサイト上で用意しています。
また、サイトへの登録をお願いすると「認定予定の施設」という形でインターネット上でのホームページも作成してもらえます。施設のホームページは申請書にも記入は必須になりますので、新たにご自身で作成するよりは、こういったところに協力をしてもらいながら認定書類などを整えるのが良いでしょう。
作成した書類は「保健所」で必ずチェックを受ける
その他の提出予定の書類も、事前に予約をしておくと保健所にてチェックしてもらえます。細かい部分で指摘があるとは思いますので、何度か通うつもりで行きましょう。そこでチェックしてもらって問題なければ、消防署と同じように、日程を調整して現地調査が入ります。
現地調査の結果、施設にも問題がないと判断されれば、認定書類が渡され、これでようやく民泊運営ができることになります。
このように、時間や労力はかかるのですが、特区民泊で運営が認められれば、安心して事業を進めていくことができます。
この民泊の合法化の動きに伴い、現在はヤミ民泊の取り締まりもだんだん厳しくなってきています。一般的にも民泊の存在が広まってきていると同時に、「うちのマンションで許可を得ずに民泊をやっている人がいる」というように、敏感になっている人も増えています。
せっかく物件を作ったのに、ヤミ民泊であることが見つかって通報され、逮捕されてしまったり、運営ができなくなってしまったりしては、もったいないですよね。ですから、堂々とビジネスができるように、時間や労力をかけてでも合法的に運営するということは、今後はより一層重要になっていくと思います。