誘導灯や消火器など、消防法に則った設備が必要
民泊運営をするためのマンションや戸建では、事業を始める際に消防法に則った設備が整っているかどうかの確認が行われます。そして民泊の場合も、消防法ではホテルや旅館などと同じ扱いとなっています。必要な設備には、主に次のようなものがあります。
●自動火災報知設備、誘導灯
これはほぼどんな民泊施設でも、設置する必要があります。ただ自動火災報知機は規模によっては、大規模な工事が不要な無線タイプも使えます。物件の規模によって変わりますが、コストは大幅に削減できますので、消防署に相談して無線タイプで設置できないかを検討してみるのも良いでしょう。
●消火器
民泊施設が150平米以上の場合、または地階・無窓階または3階以上の階で、床面積が50平米以上の場合は設置が必要です。建物の構造などによって、必要な台数や設備場所が異なるので、管轄の消防署に確認してください。
●スプリンクラー
延床面積が6000平米以上で平屋建て以外の建物の場合、また11階以上の建物の場合などには設置が必要です。
消防計画の作成など「防火管理体制」を整える
これらの設備が揃っていることをまず確認したら、次は防火管理体制の確認をします。どのような民泊施設かによって、これも変わってきます。
●防火管理者選任と、消防計画の作成
収容人数30人以上で必要になります。
●消防訓練
収容人数30人以上の場合、消火訓練及び避難訓練を、年2回以上行わなくてはなりません。
●甲種防火管理再講習
収容人数が300人以上の施設になる場合は、この講習に出ることが義務付けられています。
●統括防火管理者選任、全体消防計画の作成
これは管理について権限が分かれているものに限られます。高さ31メートル超、または地階を除いて3階以上の建物で、かつ収容人数が30人以上になる場合、必要となります。
●防火対象物点検報告
収容人数が300人以上、または収容人数30人以上で宿泊施設部分が避難階以外の階にあり、避難階以外の階から避難階または地上に直通する階段が1つのみの場合に必要となります。
●防炎物品の使用
カーテン(ロールカーテン含む)やじゅうたんなどは、防炎マークが付いたものを使用すること。
こうした条件を満たしているかを消防署にて確認してもらい、民泊施設が消防法に適合していることを証明するために、管轄の消防署に「消防法令適合通知書交付申請書」を提出します。
その後、消防署から現地確認が入り、OKが出れば「消防法令適合通知書」が発行されます。これで、消防関連についてはクリアとなります。
その他、消防関連の手続きで必要なものに関しては、チェックシートにまとめますので、これを使って確認していってください。また、大阪市内の消防署についての表も付けますので、市内の方は自分が運営する民泊施設がどの消防署の管轄になるか、確認してから訪問するようにしましょう。
[図表1]消防署提出用チェックリスト
[図表2]大阪市消防署一覧