内覧の時間に融通を利かせるなど、買い手側への配慮を
大切なマイホームだからこそ、より高く売却したいと思うのは当然です。また、その後のライフプランを考慮すれば、少しでも早く売却したいとも思うはずです。
では、どうすればマイホームをより早く、より高く売却することができるのでしょうか。もっとも大切なのは、買い手の立場になって物件の売却を進めていくことに他なりません。
たとえば、忙しい方の場合、早期に家を空けてしまうのもひとつの方法です。いつでも内覧を受け付けられる態勢を整えておけば、その分だけ迅速な契約へとつながります。場合によっては、査定を進めつつ、引っ越しも同時に進めていくことで時間の短縮にもなります。
また、物件価格を左右するポイントとしては、水回りの整備も欠かせません。不衛生な見た目だと、見に来た方に不快感をあたえるだけでなく、やはり売値に影響がでます。そのような発想も、自分が買い手の立場になってみれば容易に想像できるでしょう。
あとは、購入を検討する人から聞かれそうなことについては、あらかじめ調査しておくべきです。たとえば建物が建つ前の土地の状態などは、あらかじめ調べておくといいでしょう。
あらかじめ「値下げ」を想定した価格設定をしておく
次に、売却先が見つかった後の手続きについてです。交渉を経て売買契約を締結し、測量などの必要がなければ、残金の決済を経て引き渡しへと至ります。おおむね1~2カ月ほどかかります。もちろん、更地の場合はこの限りではありません。
交渉時においても、時間短縮のためにできることはあります。たとえば、あらかじめ値下げも想定した価格設定をしておけば、値下げに応じることも容易です。つまり、カードを用意しておくことで交渉をスムーズに進めていけるはずです。
具体的には、1980万円で売り出しをかけたりすると、「端数の80万円をまけてほしい。そうすれば契約する」という話が出ることもあります。そのようなときに、「30万円だけまけますよ」などと交渉できるような準備をしておけば、有利な価格設定も可能です。
不動産取引の全体像を理解していれば分かることですが、不動産契約は時間がかかるものの、流れとしてはシンプルです。やるべきことも限られています。だからこそ、入念な事前準備によって、時間短縮と有利な価格設定ができるようになります。
あくまでも、交渉事はケースバイケースになりますが、シミュレーションを重ねておくことで想定の範囲内で対応できます。買い手の立場から考えて、対策を講じるようにしましょう。
「検索に引っかかる値付け」も高値売却の秘訣
とくに近年、不動産情報の多くはインターネットで閲覧されています。特筆すべきことは、検索によって物件を見つけることが大半である、ということです。
このことが意味しているのは、価格設定においても検索に引っかかるように工夫するべき、という事実です。普段、なにか商品を買おうと思いインターネットで検索する場合、1000円~2000円の部分をクリックするか、2000円以下というように数字を入れて検索するのではないでしょうか? そのことを想定し、1980万円、2980万円、2480万円など、検索にかかるような値付けにも気を配りましょう。
また、より高価格での売却を目指すのであれば、不動産そのものの価値を少しでも高めるよう、努力をする他ありません。たとえば、その地域で物件を購入する人が何を求めているかによって、不動産の状況を整えておくべきです。
マイホームの売却には、そのまま売却する方法、リフォームして売却する方法、そして更地にして売却する方法があります。それぞれの特性を理解し、顧客層に対して最適化すれば、相場の3割増しで売却することも可能になります。
あとは、いかに優良な不動産業者と出会えるかどうか。つまり、売り手自身がいかに行動できるかにかかってくるのです。泥臭い努力こそ実を結ぶのだと、肝に銘じておきましょう。