旅費精算に領収書がなくても、税務上は特に問題なし
航空券や新幹線のチケットなどの旅費精算に領収書が必要かどうかは、社内規定によります。「必要」と定められているなら、それに従うべきです。
税務上からすれば、領収書は特に必要ではありません。
金額が大きい場合は、領収書があったほうが経理担当者や税務調査員に対する心証は良いかもしれませんが、「絶対になくてはいけない」というわけでもありません。
その人が実際に出張に行ったことを、申請書や報告書などで社内の人たちが認識できているのであれば、必要な交通費がかかることは当然だと見なされます。
その場合は、別に領収書がなくても何も問題はないでしょう。
格安チケットを買った場合は?
では、チケットショップなどで格安航空券や新幹線チケットを購入し、会社には正規の金額で精算した場合はどうでしょうか。
その差額をちょっとしたお小遣いとして自分の懐に入れてしまおう、というのは、もちろん倫理上はほめられたことではありません。
しかし、社内規定で「出張旅費については、一律正規運賃で精算すること」と定められていれば、実際に買ったのが格安チケットでもルールに反してはいないことになります。
逆に、社内規定で「新幹線のチケット代は、必ず領収書を添付すること」と定められているなら、どちらにしても交通費をごまかすことはできません。
これについては、経理部がどのように交通費を処理しているかという運用の問題になります。
いずれにせよ、経費の精算は社内規定に従うというのが大原則です。
[図表]高額の旅費でも領収書は必要ないが
図版・イラスト:桜井勝志