「年度をまたいでしまった経費」を精算することは可能か?

今回は、「年度をまたいでしまった経費」の精算が可能であるかどうかを見ていきます。※本連載は、公認会計士・税理士の梅田泰宏氏の著書『知らないとヤバい!領収書・経費精算の話』(PHP研究所)の中から一部を抜粋し、領収書の基礎知識や経費精算のルールについて解説します。

「常識的な範囲」で「正当な理由」があれば精算は可能

出張続きで地方を転々としている間に、三月の期末をまたいでしまった。出張中の経費を精算できるのは、四月初旬に本社に戻ってからになってしまう・・・。

 

こんな事情がある場合、前年度分の経費を精算することはできないのでしょうか。結論から言えば、経理が指定した締日までに精算できなかった正当な理由があり、その遅れが常識的な範囲内であれば、たいていは精算可能です。

 

先ほどの例のように、ずっと出張が続いていたケースは、「期末をまたいでもやむを得ない理由があり、その遅れも常識的な範囲」と判断できるでしょう。経理にきちんと事情を説明すれば、ちゃんと精算してくれると思います。

 

前年度の会計処理が終了済みなら、あきらめるしかない

では、「ここを過ぎたら、いかなる理由があっても精算してくれない」という最終デッドラインはいつなのでしょうか。

 

経理がすべての会計処理を終えて決算書を作成させるまで、つまり前年度の会計処理を終えるまでには、当然ある程度の時間がかかります。その期間内であれば前年度の決算数字はまだ固まっていないので、期末日を過ぎて精算伝票を回しても、なんとかお願いすれば精算をしてもらえる可能性があります。逆に、前年度の会計処理がすでに終わってしまっていたら、もはやあきらめるしかないでしょう。

 

期末日からどのくらいで会計処理が終わるかは、会社によりまちまちです。

 

ただ税法では、事業年度の最終日である「期末日」の翌日から二カ月以内に、決算書と法人税申告書を作成し、税務署に提出しなくてはいけないことになっています。したがって、三月末が期末の会社であれば、五月末が提出の締め切りということになります。

 

[図表]正当な理由があれば期末をまたいでも精算できる

図版・イラスト:桜井勝志

梅田公認会計士事務所
税理士法人 キャッスルロック・パートナーズ
公認会計士・税理士 

1954年、東京生まれ。公認会計士、税理士。中央大学卒業後、監査法人中央会計事務所(現・みすず監査法人)入社。1983年、梅田公認会計士事務所を設立。企業における幅広いコンサルティング活動を精力的に行なう。2004年、社会保険労務士、司法書士との合同事務所「キャッスルロック・パートナーズ」を設立。2006年、税務部門を税理士法人として新たなスタートを切った。

著者紹介

連載知らないとヤバい!領収書・経費精算の話

 

 

図解 知らないとヤバい!領収書・経費精算の話

図解 知らないとヤバい!領収書・経費精算の話

梅田 泰宏

PHP研究所

領収書や経費精算についての知識を持っていると、 ●確認に余計な時間や労力を取られないので仕事が速くなる! ●無用なトラブルに巻き込まれることを防げる! ●周りの人から「さすが! 」と思われる! 本書は 「レシートっ…

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