不動産は「生き物」としてとらえる
資産価値の下がりにくい好立地の土地は、不景気でも不動産価格は下落しにくいものです。そのような立地条件の良いところに建っている中古マンションは古くなっても人気があります。市場価値が維持され、高価で取引されているためです。その面から考えても無理に新築マンションだけを狙う必要はありません。
たとえば、東京都港区の広尾駅の近くに、大手デベロッパーが1980年代に分譲した広尾ガーデンヒルズという立地条件の良い大規模マンションがあり、2017年現在も中古マンションとして人気です。約30年前とほぼ同価格で取引され、新築マンション並みの価値を保っています。
中古であっても新築であっても、重要なのは売買のタイミングです。現在の価格の動きや将来予測を見極めつつ、売買のタイミングをとらえることが大切になります。
これからの資産家は、不動産を生き物としてとらえて、より機を見るに敏の姿勢で賢く資産を運用し、かつ利用していったほうが、資産価値の維持ができ自分と家族が幸せになれると思います。
オリンピック前の2018年までが、高値売却のチャンス
なお、首都圏では、オリンピックに関連づけていうと、すでに2013年の秋以降建築資材の値段や労務費などが高騰し、土地も2016年まで値上がりしていますので、これから1〜2年はよほど希少価値のある物件以外は、新築マンションの購入を控えたほうがよいでしょう。
2020年の東京オリンピックに向けて盛り上がった景気も、開催直前になると一段落して、景気が下降気味になることが十分予想されます。これは他の開催国と同様であり、建設業界などのオリンピック需要が大幅に減退するのに伴って都心近郊の地価も下落に転じると考えられるためです。
東京オリンピック開催以降は、これまで高騰してきた建築費の下落、地価の下落によって新築マンションがより安価で売りに出されるでしょう。加えて重要なのは、日本の人口が減り、住宅実需も減少傾向になることです。
こうしたことから、マンション等の不動産を売るなら、高値売却するチャンスのある2018年頃まで。購入するならオリンピック開催後に不動産の値ごろ感が出てきてからです。今後の資産家は思い切った決断が必要となるでしょう。
現在買いを希望している人も、高額マンション等の不動産を探している場合は慎重になるべきです。一時的に賃貸物件に入居してでも、購入を控えることを検討したほうがよいでしょう。