木造住宅も無縁ではない、建築物の「偽造問題」
随分前に、マンションの構造計算が偽装されたということが問題になりましたね。これは構造上、必要な柱や壁の大きさが小さかったり、鉄筋の数が少なかったりといったもので、本来NGになる答えをOKに書き換えた嘘の構造計算書を提出し、建設コストを下げたというものでした。
最近では横浜のマンションの杭の長さが足りていなかったケースもありました。これはあきらかに現場での偽装だったわけですが、たぶん長くした杭で打ち直す時間・お金(余裕)がなかったのでしょう。
木造住宅でも下地のベニアの種類が違ったり、構造用耐力壁の釘の種類や間隔が違ったり、建材そのものを安いものに変えられていたり、職人さんが知っていてやる場合と知らないでやっている場合と、目に見えないところでは、何が行われているかわからないのが現実だったりします。
経験値が高く、情報収集能力を持つ会社が安心
ここで私が現場監督だったころの話をしましょう。
現場というものは、一つと言って同じ環境はありません。日々天気や気候が違う状態で工程も違いますし、場所も違います。建物の形も違います。そんななかで日々仕事をしていますと、実際、失敗や間違い勘違いといったことはまったくないわけではありません。
それは厳しい管理をされている工場のラインの中でも不良品というものは発生するのと同じです。要するにその不良品の発生を限りなく少なくするとか、不良品を早い時点で見つけるといったことが重要になります。
家づくりに当てはめますと、間違いや失敗をおかしたところを過去からの経験をふまえて同じ失敗を繰り返さないことや、間違いに早い時点で気がつき修正するといったことが重要となります。
もちろん物事には規格値というものが存在しています。プラスマイナス・ゼロではなく許容範囲というものです。大工言葉に「一分や二分は芸者の花」といった言葉があります。一分とは3ミリのことです。柱や梁のような大きな木材の寸法を決めるときには、3ミリ6ミリにこだわっても意味が無く、そんな細かいところにこだわる暇があったら大事なところに頭を使えといった意味です。3ミリの隙間ができても良いということではもちろんありません。
要するに、物事の本質を知ったうえで仕事をしているかどうかです。これがなかなか解っている人は多くないのです。まず、我の強い人は駄目です。人の言うことを基本聞きませんので、いろいろな情報を聞き逃している恐れがあります。その結果、我流の押し付けで仕事を進めています。こんな人に仕事を頼むとお客さまはつらいです。提供できる情報が少ないのですから、お客さまは損をしてしまいます。
ではお客さまが損をしないためにはどうすれば良いのか?
やはり創業年数がある程度長く、つまり経験値が高く、しっかりとした施工実績や情報収集能力を持ち、それを適材適所で使える会社を見つけることが一番です。そのような会社に、あなたの大切な家づくりを頼むこと。それができれば、あなたの家づくりは、限りなく成功に近づくでしょう。