あとを絶たない「手抜き工事・欠陥住宅」へのクレーム
前回の続きです。
3番目の落とし穴は、安さの陰にさまざま隠れている危険性です。
手抜き工事、欠陥住宅によるクレームというものは、あとを絶ちません。受注が減ってしまって、倒産の危機にいる住宅会社や倒産してしまった会社もたくさんあります。下請けの下請けがいてダンピングがされていることは、大手メーカーなら当然のことです。いろいろな要因があって、家の品質にしわ寄せが来てしまうケースは多々あるのです。
また、本来の仕様や工法などをきちんと知らないまま施工をしている業者、監督も、信じられない話ですが、現場には実際にいます。
具体的な話ですが、たとえば、床や壁、屋根の合板の、釘の種類と釘を打つ間隔に決まりがあることはご存知ですか? そういうことすら知らない業者もけっこうあるのです(このような話は職人さんから情報が伝わってきます)。
土台の柱を入れる部分のことを「ほぞ」と言います。ピタッとハマれば、釘を打たなくてもしっかり柱は抜けずに機能します。当たり前の話ですがそれを、後からほぞを切り大黒柱を入れようとした建築業者もいるのです。
頻繁に変更される「家づくりの法律」だが・・・
なぜそんなことになったかというと、棟梁自らが営業もされている工務店さんで、契約時に大黒柱をサービスするからとの話を持ち出したのだそうです。ところが、そのことをすっかり忘れてしまって、上棟日に大黒柱が無く、結局、後から入れさせてほしいということになったようです。それは飾りの大黒柱であったかどうかはわかりませんが、それでも、後からスッと入れただけでは、耐震性も耐久性もあったものではありません。それはさすがに困るということで、工事がストップしてしまったようですが、かなりヒドい話です。これも職人さんから実話として聞いた話ですが、このような話をすればキリがありません。さまざまな失敗話は、ヒドいものから教訓に到るまで見事に伝わってきます(教えてくれるような人間関係を構築していますので、情報網には自信があります)。
ところで、家づくりの法律は国土交通省などが決めています。こまかい規定などもどんどん変わっていますので、最新情報をアップデートしていない会社に建てられてしまうと、後からトンデモないことになる可能性もあるのです。まさに、〝適材適所〟がなされていないということです(この言葉は建築用語から生まれた言葉です)。
そして、この見えない部分こそ、しっかりチェックしなければいけません。