今回は、家づくりにおける光熱費の節約術として検討したい、「オール電化」について見ていきます。※本連載では、オーガニックで豊かな暮らしの家づくり推進協議会・会長で、明工建設株式会社の代表取締役・仁藤 衛氏の著書、『知らなきゃ損! 建てる前に必ず読む本』(知道出版)の中から一部を抜粋し、家づくりに潜む「7つの落とし穴」を明らかにし、それらを回避するためのポイントを解説します。

光熱費を「生涯ローン」に置き換えると…

昨年からPPS(新電電)が始まりましたが、結局、多くの人は電気代は下がっていないでしょう。さまざまな会社から、セット割りなど多種多様なプランが出てきましたが、基本的には、電気をたくさん使う人にメリットがある仕組みです。最初から節電をしている人や節電しようとしている人にはあまりメリットがないのが現状です。

 

まず、電気代を抑えるには、照明をLEDや省エネ家電に変えることです。また、HEMS(ヘムス)などを用いて、エネルギーの見える化を図ることも有効です(ヘムスについては、第12回でお話します)。

 

新築を機にオール電化を検討する人もいらっしゃるでしょう。

 

オール電化のメリットはいろいろあります。安い深夜電力を使ってお湯を沸かすこと。調理中にも火を使わないので着衣着火の事故が無く安全であること。ちょっと目を離したすきの天ぷら火災などの心配もほぼありません。火傷や命のことを考えても安全なため、火災保険などが安くなります。

 

小さなことのようですが、天ぷらを揚げている鍋に紙(古新聞や古雑誌など)で蓋をすれば、家の中が油煙によってベタベタに汚れてしまうこともありません(ガスコンロでは火災につながり不可)。こんな工夫で壁紙も長持ちし、張替などの費用も抑えられます。

 

ただし、原発が稼働しなければ、価格上昇の可能性があります。また、ガス、灯油などその他のエネルギーを併用した場合は、基本料金分が高くなるというデメリットもあります――というここまでは普通の営業マンでも説明できる話です。

 

私の説明は少し違います。光熱費を生涯ローンと置き換えて、それをコントロールし、そのローンを減らす方法だったり、そのローンを限りなく0円にする方法があるのです。それを知っていないとあなたは損をしてしまいます。

 

そんな方法があるということに気づいてほしいのです。そのために、住宅をオール電化にします。電気、ガス、灯油といった3種類の生涯ローンをコントロールするよりは、1種類のローンをコントロールするほうが楽ですよね。まずはそこが入口となります。

 

これが、「ランニングコスト」のかからない家を建てて、「生涯ローンを減らす」コントロールということです。

光熱費を電気代に絞ると「創エネ、省エネ」がポイントに

光熱費を電気代に絞ると、創エネ、省エネ(電気使用量、電気単価)がポイントになります。

 

創エネで有効なのが太陽光発電システムです。今後も開発が進み、面積当たりの発電性能はアップ。太陽電池のフィルム化により、曲面や壁面、ガラス面等にも施工できるようになるので、より効率の良いエネルギー創出が可能になります。また、風力発電や水素電池など電気をつくる技術の進歩も目覚ましいものがあります。

 

省エネはどうでしょう?

 

ヘムスを使った節電や、蓄電池を使った電気価格のコントロール(安い時間帯に電気を貯め高い時間に使う。創エネした電気を貯めることも可能)により、エネルギー消費を減らす政策は、今や国策でもあります。この流れに乗れるようにした住宅はかなり有利だと思います。

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    本連載は、2017年8月15日刊行の書籍『知らなきゃ損! 建てる前に必ず読む本』(知道出版)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    知らなきゃ損! 建てる前に必ず読む本

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    仁藤 衛

    知道出版

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